英控訴院は昨年12月、メーガン妃が父親に宛てた手紙を無断で掲載し、同妃のプライバシーを侵害したとして、メール・オン・サンデー紙を発行するアソシエーテッド・ニューズペーパーズに損害賠償金1ポンド(約160円)の支払いを命じた。
ただし、この驚くほど低額の賠償金は、主に象徴的な意味を持つもの。同妃はそのほか、著作権の侵害に対する損害賠償金も受け取る。メーガン妃の広報担当者によると、「相当な」金額になるという。
この賠償額は、同妃が疎遠になっている父親、トーマス・マークルに宛てて書いた手紙を掲載することにより、アソシエ―テッド側が得た利益に見合ったものになる見込み。広報担当者は、同妃はこれを慈善団体に寄付する予定だと説明している。
英紙ガーディアンが報じたところによると、アソシエ―テッドはこのほか、この裁判にかかったすべての費用を負担することになる。また、控訴院はメール・オン・サンデーに対し、1面にメーガン妃への謝罪文を掲載することも命じている(同紙は昨年12月26日、実際に謝罪文を公表した)。
メーガン妃は今回の判決について、「前例を作ることになった」との見方を示している。発表した声明では次のように述べ、この裁判を「善と悪の重要な判断基準」を示すものになると考えていたことを明らかにしている。
「最も重要なのは、私たちが今、人々を残酷にし、その生み出すウソと痛みによって利益を得ているタブロイド紙を改革するのに十分な勇気を持っているということです」
メール・オン・サンデー紙は2019年、メーガン妃が送った手紙のコピーを父親から入手。文面にある同妃の言葉を引用した一連の記事を掲載した。これを受けてメーガン妃は同年、プライバシーと著作権の侵害、個人情報の悪用でアソシエ―テッドを提訴。高等法院は昨年2月、メーガン妃の主張を認める判決を下していた。
夫のヘンリー王子も勝訴
一方、ヘンリー王子も昨年、メール・オン・サンデーの記事を巡りアソシエ―テッドを相手に起こしていた裁判で勝訴している。同紙はヘンリー王子が王室を離脱して以来、過去に所属していた軍と「連絡を取らなくなった」と報道。王子はこれについて、「誤り」であり、名誉毀損にあたると主張していた。
ヘンリー王子はそのほか、携帯電話のメッセージをハッキングされたとして2019年に英国の「サン」「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」「デイリー・ミラー」の3紙を提訴。現在も係争中となっている。