スタッフはストーリーと価値を伝える要
QOでは、すべての人がホテルの成り立ちや細部に宿るサステナビリティについてのストーリーを研修で学びます。新しく入社した人たちには基礎的な内容、そして段階を経てより複雑なストーリーも学んでもらっています。
例えば、レストラン自体のコンセプト、メニュー、取り扱う食材について学びます。スタッフがゲストとの接点となり、サステナブルな価値を伝える重要な役割を担うのです。すべてのスタッフに対してホテルツアーを行い、様々なストーリーや施設、仕組みを学べるようになっています。実際に宿泊して、飲食をしてもらいます。そして、フィードバックをもらいます。
多くのホテルはここまでの研修を用意しないでしょう。コストがかかりますから。けれど、新しい視点でのフィードバックは常にホテルにとっても改善点を見つける良い機会となりますし、実際に体験しないとわからないことが多くあると感じています。
また、スタッフに対してストーリーの伝達を図るのには様々なツールを使います。職場用のコミュニケーションアプリ上でストーリーを学ぶこともできるようになっており、そこで学んだ知識を積極的にゲストに伝えるように推奨しています。スタッフにも入れ替わりがありますし、ストーリーも新しいものが次々と生まれます。すべての人とすべての情報を口頭で共有しつづけることは難しいので、こういった仕組みで補っています。
循環のエンジンは「グリーンチーム」
QOでサステナブルな運営を担うのは、「グリーンチーム」です。新しく部署を作るのではなく、フロント、清掃、経理などから1人ずつが集まってこのグリーンチームを結成しました。
グリーンチームは週一回集まって持続可能な運営のためのミーティングを行います。それぞれの立場の人が課題や知見を持ち込み、よりサステナブルな運営となるようアイデアを話し合い、共有します。ホテルとしての方針や新たな施策についての発表もこの場で行われます。
ここでの活動や取り決めをもとにニュースレターを発行したり、四半期毎の目標に対する進捗報告、さらには研修やセミナー、外部からのゲストを招いた勉強会を行ったりしています。