ビジネス

2022.01.04 09:30

エコツーリズム推進のコスタリカ 原生林を購入したあるホテル

shutterstock.com

shutterstock.com

コスタリカは、世界でも有数のエコツーリズム(旅先の自然環境保全に配慮した観光)の目的地だ。同国観光局によると、コスタリカの面積はわずか約5万1000平方キロメートルであるにもかかわらず、同国は地球の生物学的多様性の5%を構成している。

同国の優先事項を踏まえると、この状況が続く可能性は高い。同国では、国土の4分の1が保護公園や保全地域に指定されている。

この精神は、同国にある豪華な自然保養施設ドレーク・ベイ・ゲッタウェイ・リゾート(Drake Bay Getaway Resort)に受け継がれている。フォーブス・トラベル・ガイドで4つ星に選ばれた同施設は、コスタリカ太平洋側南の小さなドレーク湾に浮かぶ自然豊かなオサ半島にあり、海沿いには青々とした森や手付かずの浜辺が広がっている。

ジャングルの中に隠されたこのブティックホテルは、地域の風景を守る取り組みとしてわずか5棟の高床式キャビンしか提供していない。

オーナーのエンズ・ステラーとパトリック・ルードウィグは昨年、追加で約81万平方メートルの土地を購入した。これは、ドレーク・ベイ・ゲッタウェイ・リゾートから約3.2キロメートルの距離にあり、公式な所有記録を持つ土地としてはドレーク湾で最大だ。

ステラーとルードウィグは、新たな土地を「ジャングル・ゲッタウェイ(The Jungle Getaway)」と呼び保護することを計画している。この新たな土地の85%は原生林(古代まで遡る、あるいは人間の手が比較的及んでいない森)で、同国で最も動植物が密集している近隣の有名な観光地、コルコバード国立公園に見られる動植物が多く生息している。

ジャングル・ゲッタウェイには、ロイヤルマホガニーやチチノキ、パンヤノキ、バード・オブ・パラダイス、パープルハートなどエキゾチックな植物があふれている。また緑に覆われた周辺地域には、バクやピューマ、ジャガー、ペッカリーなどの動物が生息している。

しかし、ジャングル・ゲッタウェイの観光の最大の目玉は、同地域で最も大きな約30メートルの落差を誇る滝かもしれない。ルードウィグとステラーは先日、ホテルの宿泊客を滝へと案内し自然を散策するための乗馬やハイキングのツアーを開始した。新たなツアーでは、自然のままの景色が楽しめる。滝を訪れる乗馬ツアーは、観光客から遠く離れた車道がない原生林の中を川に沿ってくねくねと進むものだ。
次ページ > 持続可能な開発と自然生息地の保護

翻訳・編集=出田静

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事