フォードの株価は4日の市場で、11.7%上昇した。これは、同社が電動ピックアップトラック「F-150ライトニング」の年間生産能力を2023年半ばまでに15万台にほぼ倍増させると発表したことを受けてのものだ。今年春に発売予定のF-150の生産台数は当初は約4万台とされていたが、その後7〜8万台に引き上げられていた。
ここ最近の株価の上昇は、EV(電気自動車)に対する投資家の関心の高さを反映したものだ。フォードは、F-150の需要が予想以上に高いことを挙げ、6日にこの車両の予約注文の受付を開始すると発表した。
同社は4日、「EV革命の先頭に立つことを約束する」と宣言し、2025年までにEV関連に300億ドル(約3.5兆円)以上の投資を行い、テスラのような先駆者に対抗していくと述べた。
プレスリリースによると、フォードは今後2年間で北米のEVメーカーとしてNo.2に浮上し、その後No.1の座に挑戦するという。
フォードの株価は昨年、約140%の上昇を記録して自動車業界のトップ銘柄となり、上昇率は競合のGM(約41%)やテスラ(約50%)を上回った。
フォードの現CEOのジム・ファーリーは、前CEOのジム・ハケットが退任した後の2020年10月から現職を務めているが、それ以来、フォードの株価は200%以上上昇した。ファーリーが推進する電気自動車にリソースを集中させる戦略は、投資家やアナリストから喝采を浴びている。
モルガン・スタンレーのアナリストのアダム・ジョナスは、「2021年はフォードにとってまさに飛躍の年となり、金融危機以降、戦略的に最も重要な年になった」と述べていた。
フォードの現在の時価総額は約970億ドルで、トヨタ(3200億ドル)やテスラ(1兆1000億ドル)などの競合にはまだ遠く及ばない。しかし、4日の株価の急騰によりフォードの時価総額はGM(950億ドル)やEVのスタートアップのリビアン(910億ドル)を上回った。