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2021.12.20

新興EV「リビアン」の株価がIPO以来の最安値、製造遅延で

(c) Rivian

EV(電気自動車)メーカーのリビアンの株価は、同社がサプライチェーンの問題により、2021年の生産目標を達成できないと発表したことを受け、12月17日金曜日の市場で約11%下落し、先月のIPO以来の最安値を更新した。

リビアンの株価は17日の日中に最大15%下落し、1株あたり92.62ドルの最安値を記録したが、その後はやや持ち直し10%安の97.70ドルで取引を終えた。

リビアンは16日に上場企業として初の四半期の業績を発表した。結果はほぼ予想通りだったが、同社はこの分野の大手のテスラに対抗する上で、継続的な課題を抱えていることを警告した。

リビアンによると、顧客からの注文は急増しており、電動ピックアップトラックとSUVの予約は先月から28%増加しているが、生産台数は2021年の目標の1200台に「数百台足りない」という。

生産の遅れの原因は、サプライチェーンの問題に加え、バッテリーの増産に問題があるためとされているが、CEOのRJ・スカーリンジは「長期的な課題はない」と述べている。同社の決算発表によると、12月15日時点でR1TピックアップトラックとR1S SUVを652台生産し、そのうち386台がこれまでに納車済みという。

リビアンは、11月10日に今年最大のIPOのひとつとして上場を果たし、時価総額は一時900億ドルを突破したが、ここ数週間は株価が低迷している。

「生産システムの増強は、以前も述べたように、本当に複雑なオーケストラだ」とスカーリンジは16日に投資家に語った。フォーブスは2009年にリビアンを設立した彼の保有資産を17億ドルと試算している。

ここ最近の株価の低迷にもかかわらず、リビアンの時価総額は840億ドル近くに達しており、自動車業界の巨人であるGMとフォード(ともに約800億ドル)を上回っている。

リビアンはまた、ジョージア州アトランタの東に50億ドルを投じて第2の工場を建設する計画を発表した。建設開始は2022年を予定しており、生産キャパシティは年間最大40万台と、イリノイ州にある工場の2倍以上になる見通しだ。

編集=上田裕資

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