では、どんな人たちがオンラインでお酒を買っているのだろうか? IWSRの調査では、オンラインのアルコール飲料分野が2つの消費者タイプからなることがわかった。
ひとつは、ウェブサイトという以前からの経路でEコマースにアクセスする、従来的な消費者タイプだ。こうしたプラットフォームは、「手頃な価格と定番ブランドを求め、配達を待たされてもかまわない年配の消費者」が利用しているという。
もうひとつは、デジタルネイティブで、「現代的な」アプリ経由のEコマースを利用する消費者タイプだ。こうしたプラットフォームは若年の消費者に好まれており、彼らは、物珍しいブランドや高級ブランドを求め、迅速な配達にお金を払ってもいいと考えている。こうした消費者のうち、「初めてオンラインで酒類を購入したのは、パンデミックより前」と答える者は3分の2に上る。
IWSRのストラテジック・インサイト・マネージャーを務めるガイ・ウォルフ(Guy Wolfe)は、「パンデミックや消費者の購買行動における全体的な変化を考慮すると、アルコールのEコマースが急成長していることは、まったく驚くにあたらない。しかし興味深いのは、消費者グループによって、Eコマースでの買い物の仕方や優先するものが異なり、市場内外で大きな違いがみられることだ」と述べている。「Eコマースが多くの消費者に定着しているのは明白であり、アルコール飲料購入における第三の販売チャネルとしての地位を確立している」
アルコール飲料のオンライン購入者数で最も大きな割合を占めるのは中国で、全体の60%近くに上るが、市場の成長を最もけん引しているのは米国だ。米国は、「パンデミック中に初めてオンラインを利用した購入者」の割合が最も高い市場(54%)であると同時に、年平均成長率も約20%に達しており、アルコール飲料のオンライン売り上げにおける世界トップ市場となっている。