この調査は大麻医療ブランド「カンナシューティカ(Cannaceutica)」の委託で実施されたもので、整形外科やリウマチ学、スポーツ医学分野の一般医や専門医445人に対し、医療用大麻の知識について尋ねた。
うち圧倒的多数(84%)は、患者から慢性痛の治療に大麻を使いたいと要望を受けたり、質問を受けたりしたことがあると回答。過去30日以内に尋ねられたことがあった人は72%だった。
大麻についての主要な情報源について問われると、64%が患者と回答。44%がインターネット、40%が医学誌と答えた。大麻が将来、慢性痛管理に使われるようになると考えていた医師は81%に上った一方で、現在そうした用法を勧める可能性が非常に高いと答えたのは4人に1人のみだった。
調査結果をまとめた論文は本稿執筆時点でまだ発表されておらず、査読も行われていない。
医師の大半は、医療用大麻や内因性カンナビノイドシステムについてほとんど、あるいは全く医学部で教育を受けていない。米カリフォルニア大学アーバイン校の大麻研究所所長で、同調査を承認した同校審査委員会の委員を務めるダニエレ・ピオメッリはプレスリリースで、今回の調査により「鎮痛剤としての大麻に関する公共の利益と、その正しい使用法に関する信頼できるデータや医学教育が不足していることが浮き彫りとなった」と指摘した。
医師と患者の課題
米ジョージ・ワシントン大学の統合医療センター医長を務めるミケイル・コーガン准教授は、これまで3000人以上の患者に大麻を勧めてきた。このうち半数ほどが慢性痛治療のためだった。しかし彼いわく、正式な教育の不足から、医師が医療用大麻を患者に勧めることは難しく、彼のような医師は非常にまれだという。
電子メールでの取材に応じたコーガンは、今は大麻に対する規制が使用の現状に追いていないと指摘。この格差が解消されるまでは、医師と患者はいずれも医療用大麻の使用に当たり問題に直面し続けると述べた。
さらに、現在利用可能な製品に統一性がないことも問題となっているという。「教育の標準化が重要だが、患者が毎回全く同じ医薬品を得られるよう、鎮痛用の大麻製品を標準化させることも重要だ」とコーガンは述べた。