パンデミック中に子ども、ティーンエイジャーの拒食症が急増

Image Source / Getty Images


「パンデミック中に新規診断数がもっとも多かった場所では、拒食症と診断された患者は、進行がより急速であり、疾患マーカーもより重度だった。このことは、入院数の増加という知見の理由を説明している可能性がある」と研究チームは続けている。

これまでの研究では、ストレスの大きい出来事と、摂食障害の症状悪化との関連性が明らかになっている。拒食症の症状としては、重度のカロリー摂取制限、自己誘発性嘔吐の増加、運動衝動の高まり、身体醜形障害の悪化などがある。

オーストラリアを拠点とする研究チームも、パンデミックの第1波中に、それ以前に拒食症と診断されていた青少年のあいだで入院数が増加したことを報告している。

摂食障害を抱える成人も、パンデミック中に症状の悪化を経験しており、それは不安の増加、社会的孤立、治療チームとの接触の減少と関連している。また、気晴らしがないことや、心的負担の大きいソーシャルメディア上のメッセージに常にさらされることもストレス要因になっている。

研究チームは次のように述べている。「休校措置により、友人などとのコミュニケーション手段としてのソーシャルメディアの利用が増加していると考えられる。ソーシャルメディアでは、外出制限中の体重増に言及したり、手づくりの料理やエクササイズの日課に重点が置かれたりする傾向がある。この点も、若者たちのあいだで摂食障害のリスクをさらに高めている可能性がある」

休校になってからの「規則正しい日課の欠如」も、標準的な食生活の構造を崩し、摂食障害に関連する行動のリスクを高めている可能性がある。「外出禁止令が出ると、定期的な身体活動も制限される。それが、食事パターンの乱れとあいまって、体型や体重に関する不安の高まりに寄与しているとも考えられる」と研究チームは続けている。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事