リセール専門のオンラインプラットフォームの利用が増えている理由のひとつには、消費者が欲しい商品を小売店で入手できない状況が続いていることがある。そして、その増え方には目を見張るものがある。
フリマアプリの米オファーアップ(OfferUp)によると、同国では2021年中、消費者の37%が、小売店を通じて購入することができなかった商品をリセールサイトで探していた。また、年末のホリデーシーズン向けに品物を探していた人たちも4人に1人が、そうしたサイトを利用したとみられている。
リセールサイトのひとつ、米セラ(Sella)の創業者バイロン・ビンクリーは、国内では2022年も、こうした状態が続くと予想。次のように述べている。
「この1年には、地球温暖化に関する衝撃的な報道があり、また熱帯暴風雨が各地のコミュニティーを襲いました。消費者は自らの排出量を削減するため、持続可能な暮らし方を改めて重視するようになっていくでしょう」
「高級品をより安く購入できること、持続可能性に配慮した売買であること、破壊的な大量生産のサイクルを縮小できることなど、消費者はリセールが持つ多くのメリットに、魅力を感じるようになっています」
ファッション業界がけん引役
世界最大規模のオンライン・マーケットプレイス、イーベイ(Ebay)によると、パンデミックによるロックダウン(都市封鎖)は消費者に、自らの買い物習慣を見直す時間を与えたと考えられる。その結果、例えば英国では2020年、9月までに約1200万人が中古品を購入している。
世界全体では、中古衣料品の販売は新品に比べ、11倍速いペースでの伸びを見せた。リセールの人気が特に高まっている分野の一つが、ファッションであることは間違いない。この分野が環境に及ぼす影響についての理解が深まっていることもその主な要因だ。