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エネルギーの7割以上を石炭火力発電に依存する南アフリカ共和国の国営電力会社エスコム(Eskom)は、石炭火力発電所の一つに25億ドル(約2850億円)の汚染防止システムを設置しようとしていたが、その計画を延期すると12月15日に発表した。

ブルームバーグの報道によると、資金難にあえぐエスコムは高価な汚染防止システムの導入費用を捻出できず、設置期限を2025年から2027年6月に延期することで世界銀行と合意したという。エスコムは2010年に世界銀行から37億5000万ドルの融資を受けており、その条件の一部として汚染防止システムの導入を求められていた。

このシステムは、有害な二酸化硫黄の排出を抑制するものとされている。しかし、エスコムは、このシステムが発電所の水の消費量を増やし、二酸化炭素の排出を増やすと主張している。

エスコムはまた、同社が申請した工場の大気汚染の規制を緩和する案を、南アフリカ環境局が却下したことを発表した。これにより、同社の発電キャパシティの3分の1以上が停止に追い込まれる可能性があり、裁判で争うことになると述べている。

フィンランドの研究機関CREAによると、エスコムは世界最大の二酸化硫黄の排出企業であり、その排出量は米国と中国の国営電力部門の合計を上回っているという。CREAは、エスコムが「世界最悪の大気汚染を引き起こす電力会社」だと宣言した。

二酸化硫黄の排出量は、各国の規制の強化によって削減されており、米国では1998年から2020年にかけて94%減少した。しかし、エスコムは260億ドルもの負債を抱えているため、規制を遵守しようとする試みは遅延している。

南アフリカの環境担当官のThuli Khumaloは、エスコムは大気汚染基準を完全に遵守するために「最小限の努力しかしていない」と述べている。

エスコムの発電所は2020年に190万トンもの二酸化硫黄を排出していた。

エスコムは3月に発表したサステナビリティ報告書の中で、一部の発電所で二酸化硫黄の排出量が多いのは、石炭に含まれる硫黄分が多いことが原因だと述べていた。

編集=上田裕資

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