AIでプロ並みの動画を制作する「Synthesia」が累計76億円を調達

(c)Synthesia


マーク・キューバンからシード資金


デンマーク出身のRiparbelliは、コペンハーゲンにあるFoundersというスタートアップスタジオで働いているときに、共同創業者のSteffen Tjerrild(現CFO兼COO)と出会った。その後、Riparbelliはロンドンのコンサルティング会社で、Tjerrildはザンビアで投資銀行でそれぞれ務めたが、インドで行われた結婚式で再会を果たしたという。

2人は、大学教授のMatthias NiessnerとLourdes Agapitoを誘い、2017年3月にSynthesiaを設立した。

Tjerrildは、数人の投資家に出資を断られた後、ビリオネアのマーク・キューバンのことを知り、メールで会社を売り込み、14時間に渡るメールのやり取りをしたという。キューバンは、Synthesiaのサイトに登録をした後、プレシードラウンドで100万ドルを出資した。Tjerrildらにとって、これは事業を継続する上で無くてはならない資金だった。

Synthesiaはロンドンに本拠を置き、複数の事業所に65名の従業員が勤務している。同社は、プレシードラウンドで100万ドル、シードラウンドで310万ドル、今年4月に実施したシリーズAラウンドでは1250万ドルを調達しており、直近ラウンドを含めた累計調達額は6700万ドルに達する。

シリーズBラウンドを主導したクライナー・パーキンスのパートナー、Josh Coyneによると、動画に対する需要は爆発的に増え続け、TikTokのような動画を作るのはかつてなく容易になったが、プロ品質が求められる企業向け動画では状況が異なるという。

「Synthesiaの登場により、新たな領域でクールな動画が次々と生まれるようになるだろう。我々は、企業によるプロ品質の動画制作を民主化している」とCoyneは語った。

編集=上田裕資

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