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2021.11.24

企業は小型化の時代へ、小売大手6社の「分社化できそうな事業」

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企業は専門化の時代を迎えている。コングロマリットをめぐる最近の例を2つ挙げると、ゼネラル・エレクトリック(GE)とジョンソン・エンド・ジョンソンはそれぞれ、一部の事業を小規模な専門企業として分社化した。

ユナイテッド・テクノロジーズも2018年に、航空宇宙事業(現レイセオン)、エレベーター事業(現オーチス)、空調事業(現キヤリア)と3事業を分社化したほか、ファイザーなども消費者向けヘルスケア事業を切り離している。

こうなると、気になってくるのが、買収を重ねて自らを巨大化させてきた小売企業にも同じことが起こるか否かだ。

分社化すると、投資家から歓迎される可能性は高い。コングロマリットの分社化とは、一般的には、投資家に対して事業を明確に打ち出そうとしている印だ。これは歓迎されることであり、その事業が別種の市場を舞台にしている場合ならなおさらである。また、分社化されると業績が上昇する可能性も高い。

以下では、所有する事業を分割して独立させられそうな小売企業を見ていこう。

1.ウォルマート


ウォルマートが運営する会員制スーパーマーケット、サムズ・クラブは、分社化されるのではないかという憶測がしばしばささやかれてきた。サムズ・クラブの経営陣は実力派ぞろいなので、独立後も十分な成長が見込める。



筆者の見るところ、インドに拠点を置くeコマース部門、フリップカートも、ウォルマートから切り離せそうだ。ウォルマートは買収実績があまり芳しくない一方で、主要な事業形態であるウォルマート・スーパーセンター(衣食住をすべて含む幅広い商品を低価格で提供する小売店)は新たな成長局面に入りつつある。テクノロジーの導入を進めて供給ラインの改善に集中する取り組みが奏功する可能性がある。

2.アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)


ABF傘下にある成長企業のひとつが、ファストファッションのプリマークだ。現在は398店舗を展開中で、経営陣は5年以内に550店舗まで拡大させる目標を立てている。プリマークが分社化されれば、投資家のあいだでの認知度はさらに増すだろう。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック後、プリマークはすでに平均を上回る成長を見せている。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ 写真=Getty Images

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