Halpinによると、Nymによるネットワークレベルでのプライバシーは、VPNやTorとは違って国家レベルの監視活動を防ぐことができるという。
しかし、Halpin によると、NymはTorに対抗しようとしている訳ではないという。「我々は、人々がTorブラウザを使うことを推奨している。しかし、ビットコインやレイヤ2には、Nymの方が適している」と彼は話す。Nymは、ノード運営者への報酬としてビットコインを支払っている。彼は、将来的にNymのテクノロジーがLightningのようなプロトコルと統合されることを期待している。Lightningは、ビットコインネットワークの上に構築された、高速でハイボリュームなマイクロペイメントのためのプロトコルだ。
チェルシー・マニングは現在、クライアントサイドのセキュリティでHalpinと緊密に連携している。「Nymは、ミックスノードのプロセスが投資に値するものであることを証明してみせた」とマニングは話す。
暗号通貨業界で注目の「プライバシー」技術
プライバシー強化を手掛けるスタートアップの中でも、暗号通貨を使っている企業の多くは資金調達に成功している。Halpinは、2017年にブロックチェーンを用いない類似の事業プランで資金調達を試みたが、数千ドルしか獲得できなかったという。現在、Nymはテストモードで運営されているが、ネットワークには5000のノードと30のバリデータが参加しており、年内に正式ローンチを予定している。
今回のラウンドを主導したアンドリーセン・ホロウィッツにとって、ブロックチェーンを用いたプライバシー企業への出資は少なくとも5社目となる。Nym以外の出資先には、クラウドコンピューティング企業の「Oasis Labs」や、ゼロ知識証明を利用したプライベートアプリケーションプラットフォーム「Aleo」、ブロックチェーンとソフトウェアの開発企業「Orchid Labs」、イーサリアム上のプライベートデータ向けインフラを構築する「Keep」が含まれる。