2020年5月に設立されたGorillasは、わずかな期間で9つの市場に180のダークストア(小規模な配送センター)を開設し、注文から10分以内に生鮮食品を届けている。
今回のシリーズCラウンドには、マッコーリーキャピタル、MSAキャピタル、スライブキャピタルなどの新規出資元と、Coatue Management、DSTグローバル、テンセントなどの既存出資元が参加し、Gorillasの評価額は31億ドルとされた。Gorillasは、今年初めのシリーズBで2億9000万ドルを調達していた。
同社は、今回の新たな調達資金をさらなる事業拡大や採用、テクノロジー、マーケティング分野への投資に用いると述べている。また、米国への進出も開始している。
「今回の並外れた資金調達の規模は、当社の未来に広がる市場の巨大さを示している」と、GorillasのCEOのKağan Sümerは述べている。
「グローバルの知見を持つデリバリーヒーローは、当社の強力なパートナーだ。我々は、この分野で最高のチームを構築し、欧州をはじめとする市場で業界をリードする地位を強化するための資金を手に入れた」とGorillasは述べている。
Gorillasは、2020年以降にヨーロッパで誕生した、10分から15分で食料品を配達することを約束するフードデリバリー企業の1社であり、ベンチャーキャピタルから多額の資金を調達している。しかし、同社は従業員の待遇をめぐる問題にも直面している。Gorillasは先日、組合を結成しようとした社員を解雇したと報じられた。
今回の出資は、欧州で「Qコマース」と呼ばれるダークストアからの迅速なデリバリーを強化しようとするデリバリーヒーローの新たな動きだ。デリバリーヒーローは、自社のダークストアのDmarts事業を運営しているほか、スペインのデリバリー企業Glovoの株主でもある。
デリバリーヒーローのCEOのNiklas Östbergは、「Gorillasのチームは、業界で最も高い顧客のリピート率を誇っている」と述べている。「彼らは、設立から1年で年間3億ドル以上の収益を達成する規模に成長し、毎月2桁の成長を続けている。当社は、革新的なQコマースのプレーヤーに投資することで、業界全体に利益をもたらし、優れたカスタマーエクスペリエンスを実現していく」とÖstbergは話している。