テクノロジーとEコマースの大手であるアリババは、期待外れの四半期の業績を報告し、今後1年間の収益予測を下方修正した。これを受けて、同社の株価は18日に11%以上の急落となり、19日金曜日にさらに2%以上下落した。
アリババの創業者で会長のジャック・マーは、かつて中国トップの富豪だったが、株価の下落により数十億ドルの資産を失った。フォーブスは、19日時点のマーの保有資産を386億ドルと試算している。彼の保有資産は、2020年10月27日にアリババの株価が史上最高値の約317ドルをつけた際に、666億ドルだった。
フィンテック企業のアント・グループの共同創業者でもあるマーにとって、今年は困難な年だった。彼は、昨年、中国政府の締め付けが強化されて以来、ほとんど公の場に姿を見せていない。
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中国政府は昨年から、アリババやテンセント、バイドゥ、TikTokの運営元のバイトダンスなどの大手ハイテク企業の、反競争的な行為や個人情報の収集を非難し、監視を強化している。マーは、昨年11月に予定されていたアント・グループの350億ドル規模のIPOが、政府によって中止に追い込まれて以来、表舞台から姿を消している。アリババは、4月に独占禁止法違反の罰金として、中国で過去最高額の28億ドルを科されていた。
アリババの株価は、今年に入ってから40%近く下落している。同社は、決算発表の中で、事業のオペレーションに影響を与える可能性のある規制環境や、プライバシーやデータ保護関連の規制や懸念について警告した。
中国の習近平国家主席は、規制強化に関して「一歩も引かない」と、株式調査大手CFRA のジョン・フリーマンは19日、Yahoo Financeに対して述べた。彼は、アリババ株に上場廃止のリスクがあると警告した。