創業3年のNymは、スイスのヌーシャテルに本拠を置く。同社は、シリーズAラウンドで1300万ドルを調達し、評価額が2億7000万ドル(約308億円)に達したことを発表した。Nymはブロックチェーンを用いたプライベートウェブの構築を加速させている。
このラウンドを主導したアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は、ブロックチェーン特化ファンド「a16z Crypto」を通じてNymに出資した
Nymは、2019年にバイナンス傘下のVCとインキュベータから250万ドルを調達し、今年7月にクローズしたPolychain Capital主導のラウンドでは650万ドルを調達していた。一連の資金調達は、プライバシー保護技術がもはやニッチ領域ではなく、世界中の投資家から関心を集めていることを示している。
「暗号化は、今日のインターネットにおいて極めて重要な要素になっている。Nymは、基礎的レイヤでプライバシーを提供しており、その上に他のプライベートソリューションを構築することができる」とアンドリーセン・ホロウィッツでゼネラルパートナーを務めるAli Yahyaは話す。
Nymのブロックチェーンは、混合ネットワーク(mixnet)を用いており、ノードはインターネット上のトラフィックをシャッフルすることでトークンを得ることができる。ノードは、必要に応じてダミーデータを注入し、最高レベルの技術を持つハッカーたちによる解読を困難にする。NymのCEOのHarry Halpinは、2018年に同社を設立する以前、「ウェブの父」として知られるティム・バーナーズ=リーとワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアムで仕事を共にしていた。