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中国の最近の規制強化や不動産業界の信用不安から投資家は中国株への投資を手控えているが、米資産運用大手のティー・ロウ・プライスは、中国株の短期的な値動きの荒さはむしろ来年にかけて魅力的な投資チャンスを生み出すとの見方を示した。

世界的にみて投資家は中国株に投資するよりも、コロナ禍で恩恵を得ている企業に投資するほうが容易になっている。これに対して、ティー・ロウ・プライスは2021年版「グローバル・マーケット・アウトルック」のなかで、コロナ禍への対応を余儀なくされていた行動が正常に戻ってくるにつれて、そうした状況も近く変わってくる可能性があると指摘している。

中国経済は不動産部門の成長こそ鈍っているものの、今年第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比4.9%増、輸出は好調、通貨も安定と、全体としては比較的堅調だ。また中国の習近平国家主席は引き続き政策改革を通じて権力強化を進めているが、ティー・ロウ・プライスのファンドの運用責任者デービッド・アイスワートは「中国での規制強化は周期的に行われる傾向がある」と説明する。

アイスワートによれば中国の規制強化のサイクルは向こう2~3四半期で後退する可能性が高い。そのため今後の中国株には投資妙味があり、目先のボラティリティーは「避けるべきものではなく投資チャンス」とみるべきだという。

「中国で不動産市場の調整が進んでいることから、来年後半についてはかなりポジティブな見通しとなっている」とアイスワートは説明。「投資家は最近の歪みも考慮して中国を魅力的な投資先とみるようになるはずだ」と続けている。

中国の規制当局は不動産部門の成長の高い債務依存度を引き下げようとしている。業界大手の中国恒大集団は今年夏以降デフォルト(債務不履行)の回避に苦慮しており、中国不動産株全体に打撃を与えている。不動産部門は中国のGDPのおよそ4分の1を占める。

米連邦準備制度理事会(FRB)の最新の金融安定報告書によると、中国の規制強化は米国の投資家の間でインフレや新型コロナウイルスのデルタ株に次いで大きな懸念事項になっている。投資家はとくに中国の不動産部門の問題が米国史上に波及することを心配している。

編集=江戸伸禎

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