オールバーズはIPO申請書類で、同社のブランド力を強調し、創業以来約98%が定価販売されたと記している。さらに、2020年売上の半分強がリピーターによるものだという。これは確かにいい兆候だ。
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一方、今をときめくD2Cブランドにありがちなことだが、同社の損益はあまり芳しいものではない。オールバーズの2020年売上は2億1900万ドルで、2019年の1億9400万ドルから増加した。だが純損失も、2019年の1450万ドルから、2020年の2590万ドルに増えている。2021年の上半期には、2100万ドルの損失が発生した。
オールバーズは、デジタルネイティブな商品提供を適切にサポートすることを目標に、6月30日時点で27店舗をオープンさせている(ミネソタ州ミネアポリスの店舗については、以前にレビュー記事を掲載した)。デジタルチャネルは、依然として売上の89%を占めている。
IPO(あるいはSPO)で得た資金は、運転資本、営業経費、設備投資に充てられる予定だが、同社は、補完的な事業やサービス、製品、技術への投資の可能性も排除していない。今回のIPOの主幹事は、モルガン・スタンレー、J.P.モルガン、BofA(バンク・オブ・アメリカ)セキュリティーズが務めている。
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