フォーブスジャパン編集部

サステナブルファッションの分かりやすい品質表示や情報発信が求められている (Shutterstock)

サステナブルファッションへの関心が高まるなか、小泉進次郎環境大臣はさらなる促進に向けて、企業と連携してガイドラインづくりや支援に本格的に乗り出そうとしている。

2021年度内にも「ファッションと環境に関する企業コンソーシアム(仮称)」を立ち上げ、各企業のシェアリングサービスやアップサイクル、環境負荷低減などの取り組みを後押しする。

アパレル・繊維業界の11社が参加する「ファッションと環境」勉強会の成果報告会が4月21日に環境省(オンライン)で開かれ、各社が小泉大臣に向けて今後の官民の連携のあり方を提示し、議論した。

環境負荷、分かりやすい品質表示と情報発信へ


小泉環境大臣
「ファッションと環境」勉強会の成果報告会に出席する小泉環境大臣

小泉大臣は冒頭で「カーボンニュートラルの機運が高まるなかで、CO2排出や環境負荷が非常に高い業界として持続可能性が懸念されている。国内で販売されるもののうち、98%が海外生産され、現地の資源と環境負荷によって私たちのファッションが成り立っている。大量生産、大量消費ではなく、適量購入、適量生産、循環利用を促していきたい」と述べた。

小泉大臣の呼びかけで、これまで2020年12月から21年2月までに勉強会を4回開き、業界全体の課題や各社の取り組みなどについて議論してきた。報告会では、アシックス、アダストリア、伊藤忠商事、H&Mジャパン、倉敷紡績、ゴールドウィン、帝人フロンティア、東レ、豊島、日本環境設計、ユナイテッドアローズが出席。

特に消費者に向けて「CO2排出の見える化」など分かりやすい品質や指標の表示が求められている。またサステナブルな取り組みの発信に苦慮しているアパレル企業も多く、国として発信するためにも小泉環境大臣は「クールビズに代わる、新しい言葉を企業の皆さんから募集したい」と呼びかける場面もあった。

「ロングユース」は根付くも、シェアリングやサステナ素材は未浸透


ファッションと環境に関する消費者アンケート(日本総研、2021年)によると、調査対象2000人のうち、約6割がサステナブルファッションに関心を持っている一方で、リサイクル素材やオーガニックコットンなどサステナブルな素材の選択や廃棄物の削減、再利用などに6カ月以上取り組んでいる人はわずか2.8%であることが分かった。世代別では、特に35歳以上の女性の関心が高く、Z世代では女性は10代後半、男性は20代前半の関心が高かった。

意外にも、60歳以上のサステナブルファッションへの関心は男女問わず高かった。全世代を通じて、持っている衣服を可能な限り長い間利用したり、品質を重視して長く使用可能な価格に合う商品を購入したりする人は4割以上おり、「ロングユース」を意識した消費行動は根付き始めているとみられる。一方で、シェアリングサービスの利用者やサステナブル素材や生産ルートまで確認して衣服を購入する人は10%台と少ない。

これらを実践するためにはどうすればいいかという質問に対しては、サステナブルファッションの定義やどう対応すればいいか分かりやすい情報発信や、服を処分する際の回収のしやすさを求める回答が多かった。

文=督あかり

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