ここ数週間で、アジアでの小売売上高の回復が世界の業績の追い風になっていると発表した高級ファッション企業は、バーバリーの前にも数社ある。
イタリアの高級ブランドのプラダとサルヴァトーレ・フェラガモも、最新の業績情報を共有する際に中国の小売売上高と電子商取引の売り上げの急増に言及している。
バーバリーは12月26日までの13週間で、中国や韓国での強い需要によりアジア太平洋地域での売り上げが11%伸びたと報告していた。同社はそれを受け、2021年第1四半期の既存店売上高は前年比で3分の1近く上昇するだろうと発表。同社のネットでの売り上げは第3四半期に50%以上増加し、中国本土での成長率は100%を超えていた。
バーバリーは臨時で情報更新を行い、「当社では12月から堅調な回復が継続的に見られ、売り上げと補正された営業利益が合意予測を超えることが期待されている」と述べた。業績向上により、通期売上高の全体的な落ち込みが10~11%に抑えられる可能性がある。バーバリーによると、アナリストらは以前、通期売上高の落ち込みを13%ほどと予想していた。
同社は新型コロナウイルス感染症が流行を始めてから、マンチェスター・ユナイテッド選手のマーカス・ラシュフォードを起用するなどして積極的にブランドの方向性修正に取り組んできた。ラシュフォードの起用により、若者がバーバリーのデザイナー服やアクセサリーに注目するようになり、10代前半の層では革のハンドバッグや上着の売り上げが上昇した。
同社の欧州・中東・アフリカでの売り上げは店舗の閉鎖と観光客の減少により打撃を受け、昨年第4四半期に37%低下した。店舗の15%は今でも閉鎖されており、営業中の店舗でも3分の1が営業時間を短縮するか制限付きで営業している。
バーバリーのマルコ・ゴベッティ最高経営責任者(CEO)は「新型コロナウイルス感染症により短期的な見通しはまだ不透明だが、流行が収束したら売り上げを伸ばす上で当社は有利な立場にある」と続けた。
プラダやサルヴァトーレ・フェラガモもアジアを意識
バーバリーが業績予想を上方修正する前に、伊ファッションブランドのプラダと高級品販売のサルヴァトーレ・フェラガモも、中国での堅調な業績により昨年の売り上げが引き上げられたことを発表していた。