新型コロナウイルスのパンデミック中、消費者が便利さと安全性を求めてオンラインショップに押し寄せたため、スティッチフィックスの株価は急騰した。38歳になったレイクは、2020年10月にフォーブスが発表した「一代で富を築いた米国の女性富豪ランキング」で64位にランクイン。そのときの純資産額は3億6000万ドルだった。
しかし、ここ3カ月で同社の株価は3倍近くに跳ね上がり、レイクの持ち株(全体の10%超)の価値はついに10億ドルの大台に乗った。フォーブスの推定では、保有現金やその他の投資を合わせると、レイクの資産額は11億ドルになる。つまり、米国に19人しか存在しない、一代で富を築いた女性ビリオネアの仲間入りを果たしたのだ。
ほかの女性ビリオネアには、人気司会者オプラ・ウィンフリーや、アパレル大手ギャップ共同創業者ドリス・フィッシャー、フェイスブック最高執行責任者(COO)シェリル・サンドバーグなどがいる。
スティッチフィックスは、データサイエンス技術を活用しつつ、スタイリストが利用者個人にマッチしたファッションアイテムを選び、自宅に届けるサブスクリプション・サービスを提供している。コロナ禍によってショッピングモールに買い物に出かける気がなかなか起きない状況下で、同社は顧客を獲得するべく取り組んできた。
パンデミックが始まって最初の数カ月、消費者は支出を控えた。また、倉庫が一時的に閉鎖されているあいだ、同社は注文に応じるのに四苦八苦した。しかし最近の業績を見れば、同社サービスへの需要が高まる一方であるのは明らかだ。
スティッチフィックスは2020年12月、目を見張るような四半期決算を発表し、驚異的な利益を計上した。売上は、前年比10%増の4億9000億ドルに上っている。同社は投資家に対し、通年で20%から25%の成長率を達成できる見込みだと述べた。
アパレルを中心に販売するスティッチフィックスは、自宅で過ごす時間が大幅に増えた人たち向けに、彼らが関心を持つようなスタイルを急遽追加している。たとえば、女性向け在庫のなかでアスレジャー商品が占める割合を150%増加した。また、2018年に始まった子ども服サービスも軌道に乗っており、育ち盛りの子どもの服を選んでくれる同社に、親たちから注目が集まっている。新学期前には、新規利用者が前年比で60%も増加した。