同社は、代表取締役社長の町野健が2016年11月に設立。デザイン性の高い家具・家電の新品を、初期費用を大幅に軽減して、必要なときに、必要な分だけ自由に利用できるサービスである。また、使い続けても商品価格を超えない月額料金設定も特徴だ。さらに、気に入ったアイテムを買い取ることもできる。
コロナ禍で、個人をはじめ、スタートアップや大企業のオフィスの開設・増設・閉鎖・移転などに伴う需要も増え、ユーザー数、取扱高が大幅増している。
そのsubsclifeに20年9月に投資をしたのが、都虎吉が取締役COO兼パートナーを務めるZ Venture Capital(当時・YJキャピタル)だ。なぜ、都はリード投資家として、subsclifeに投資をしたのか。
都:町野さんに最初にお会いしたのは、20年2月。私が、現在の職場に転職したばかりのころでした。事業モデルと進捗状況を聞いた時点でうまくいくと思い、すぐに投資したいと。家具メーカーから家具を仕入れ、subsclifeを通して、月額制でユーザーに展開する。誰もがWin-Winのシチュエーションをつくることができている。
こうしたステークホルダーを巻き込みながら座組みをつくって、頭のなかでアイデアを描くだけではなく、実装までもっていけている大人の起業家としての戦略、泥くささといった強みと人間としての魅力が町野さんにはありました。
町野:私も資金調達に積極的に動いていた時期。最初の打ち合わせは、短時間で事業の内容を絞って話をしましたが、都さんの理解がすごく早くて、とても話しやすかった。うまくいくかも、という印象でしたが、その直後に緊急事態宣言が出て。ただ、都さんとはその後も頻繁に議論をしたこともあり、緊急事態宣言下でも、あまり不安はなかったんですよ。
都さんは事業視点で、事業を伸ばすためにどうすればいいか、本質的な質問をする。本質を言われるので会話をしているうちに、不明確な点が明確になっていく。その過程で事業の解像度が高くなって、2月、3月、4月と議論を進めるなかで「こうやればいいよね」という点が明確化し、それをやり通しました。
業績についても、多少の停滞はありましたが、その後はしっかり伸びていった。