ブラジルが干ばつや霜害に相次いで見舞われた影響で、世界中の飲食店で使われているアラビカ種の価格はすでに上昇している。
ニューズレター「ベストウェザー」の著者ジム・ローマーによると、ブラジルのコーヒー豆が深刻な冷害に見舞われたのは1994年以来だという。
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TradingEconomics.comによると、昨年11月に1ポンド=1ドルほどだったコーヒー豆先物は、足元では2ドル前後に上がっている。値上がり幅のうち50%はこの2週間の上昇によるものだ。
しかも、2ドルというのは卸売価格だから、店頭価格はそれよりもずっと高くなる。先物価格が2倍になれば、おそらく店頭価格も最低でも2倍になるだろう。
いや、もっと高くなる可能性もある。海上輸送されるさまざまな商品のサプライチェーンが乱れているほか、労働力不足もコストを押し上げているからだ。
現在の相場急騰の原因は、ブラジルのコーヒー豆が天候不順で大きな被害を受けたことだ。米農務省のデータによれば、ブラジルは世界全体のアラビカ種収穫量の半分近くを占める最大の生産国である。だが、昨年5000万袋(1袋=60キロ)近くあった収穫量は、今年は3500万袋程度に減る見通しとなっている。
自由市場では価格は需要と供給の関係で決まる。コーヒー豆の場合、需要が落ち込みそうにない一方で供給は大幅に減っているので、価格は上がるというわけだ。
筆者は一段高を見込んでいる。賭けてみたい人は、コーヒー豆相場に連動する上場投資証券(ETN)「アイパス・ブルームバーグ・コーヒー」を購入してみてもいいだろう。先物市場と同様に、このETNの相場も最近大きく上げている。