きっかけは「従業員パラ選手のサポート」 ブリヂストンのD&Iムーブメント

パラトライアスロン・秦由加子選手の要望から生まれた義足ソール(写真提供:ブリヂストン)

パラトライアスロン・秦由加子選手の要望から生まれた義足ソール(写真提供:ブリヂストン)

最近頻繁に耳にするようになったキーワード「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」。もはやグローバルスタンダードとされる考え方で、東京2020オリンピック・パラリンピックでも「多様性と調和」が基本コンセプトのひとつになっている。

人を出身地・性別・言語・年齢・障がいの有無・信仰などで区別をせずに、多種多様なバックグラウンドを受け入れる「多様性の受容」は、企業に何をもたらすのだろうか。

D&Iの概念をいち早く理解して企業活動に取り入れ、オリンピック・パラリンピックをワールドワイドパートナーとしてサポートしているブリヂストンに、D&Iの無限の可能性や独自の取り組みについて聞いた。


オリンピアンと楽しむレッスンやパラ競技体験なども実施された「ブリヂストン × オリンピック × パラリンピック a GO GO!」(写真提供:ブリヂストン/2018年6月撮影)


ブリヂストンが生産するゴムや樹脂製品は、生活の至るところに使われている。しかし、ブリジストンといえばタイヤ、タイヤといえば自動車やF1などのモータースポーツのイメージが強い。そこで、さらなる認知度向上のため、2014年のオリンピックワールドワイドパートナー就任を皮切りに、スポーツの支援に一層力を入れている。

「F1は“技術を発揮できる場”なので積極的に関わってきたという側面があります。世界20ヵ国で開催されていますが、ドライバーは全世界で20人程度と少数。ファンは車好きの男性が中心です。

一方オリパラは世代や性別関係なく関心を持ってもらえるので、ブリヂストンを“知ってもらう機会”が限りなく作れるだろうと。当社は全世界で14万人の従業員がいるのですが、オリパラに関わる企業として自分の働く会社に誇りを持ち、全員が同じベクトルで一体感を持つ、そういう点でも意味があると思っています」

そう語るのは、2015年からオリンピック・パラリンピック事業に携わってきたコーポレートコミュニケーション統括部門長(インタビュー当時)の山田良二氏。こうして始まったオリパラとの関わりは、社の認知度、社員のモチベーションを高めるに留まらず、新たな展開をもたらしたという。


株式会社ブリヂストン コーポレートコミュニケーション統括部門長(インタビュー当時)の山田良二氏
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文=定家励子(パラサポWEB) 写真=四十物義輝 編集=高木真佑子(パラサポWEB)、宇藤智子 企画協力=日本財団パラリンピックサポートセンター

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