多様性と調和。五輪開会式の「プラカードベアラー」がつなぐ想い

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連日、日本選手のメダルラッシュに沸く東京五輪。残すところあと2日となったが、ここで「開会式」のことを振り返ってみたい。

7月23日の午後8時、開会式は、緊急事態宣言下の国立競技場で"無観客"という異例の形で幕を開けた。その開会式に「プラカードベアラー」として参加した松尾桃子さんが会場・選手の模様や得られた経験を書き留めた、貴重なレポートをお届けする。


2021年夏、東京2020オリンピックの開会式にプラカードベアラーとして参加した。

「プラカードベアラー」とは、開会式で世界各国・地域の選手団を、プラカードを掲げて先導するというプログラムだ。東京2020オリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーであるコカ・コーラ社により提供され、パラリンピックの開会式でも同様に実施される予定だ。

2021年4月に募集があり、プラカードベアラーになりたいと思う理由を、延期となった1年分の想いとともに、400字の文章と写真またはビデオレターで応募し、選考を経て80名が選出されるとのことだった。

私は、2016年大会の招致で東京にするか、福岡にするかと話題になっていた2006年の頃からオリンピックの開催を楽しみにしていて、当時のピンバッヂも大切に持っている。2019年にはもちろん観戦チケットの抽選にも申し込んだが、オリンピックもパラリンピックも全く当たらなかったのち、2020年に新型コロナのパンデミックが起き、度重なる混乱や出来事もあって、大会そのものの祝祭感が日に日に失われつつあった。

何より大会が無事に開催されるのかも全く不透明な時期であったが、待ちに待ったオリンピックが開催されれば、世界中から集まる選手たちをプラカードベアラーとして応援したい、そしてスポーツというノンバーバルの文化を通じてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)社会実現の一助となれば、と応募することにした。気持ちを込めたビデオレターを送ったところ、6月に選定されたという通知が届いた。


筆者あてに実際に届いたインビテーションカード

7月に入り最終案内が届き、検温など健康管理を徹底する毎日が始まった。そして、東京2020オリンピック開会式1週間前、プラカードベアラーの合宿がスタートした。

最終的に選出された50名は、A~Hまで8つのグループに分かれ、様々なプログラムを共にした。私のグループは全国各地から集まった、幅広い年代の7名で構成された。

他のグループも同様に、多様なプロフィールを持つメンバーだ。日頃からボランティア活動をしている人、聖火リレーも走った人、仕事を辞めて参加した人、経営者、先生、飲食店勤務、学生……。ただひとつ共通していたのは、オリンピックを楽しみにしていて、多様性と調和を掲げる東京大会をプラカードベアラーとして世界に発信し、日本を、身近な人を元気にしたいという想いだ。


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文=松尾桃子 編集=宇藤智子

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