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2021.07.14 07:45

H&Mのグローバル売上が回復、けん引役は米国、中国は23%減

Yuriko Nakao/Getty Images

スウェーデンのファストファッションブランドH&Mでは、2021年5月末までの6カ月で売上が急激に回復した。店舗営業が段階的に再開したのに伴うかたちだ。これは、マス向けブランドにとって実店舗がいまだに大きな意味を持つことを示唆している。

パンデミックは、プライマークやユニクロといった小回りが利く小売事業者が提供する、「お値打ち品」のファッションに対する消費者の需要を高めた。そしてそれにより、熾烈な競争環境が生まれた。

なかには、その流れについていけない企業もあった。かつての有力者といえども失墜しうることを示す一例が、英国における直営店舗の閉鎖を決めたギャップのケースだ。

H&Mは、これまでのところうまく適応している。5月末までの半年間の売上は、12%増の101億ドル(866億スウェーデン・クローナ)に達した。第2四半期に、現地通貨計算で75%と大幅増となり、それに助けられたかたちだ。

2020年末時点では、H&Mグループ店舗の3分の1あまり(およそ1800店舗)が一時的に閉鎖されていたが、感染拡大を防ぐための制限が緩和されたのに伴い、順次営業が再開されてきた。H&Mの第2会計四半期が始まった2021年3月の時点では、およそ1300店舗がまだ閉鎖されていたが、5月末には、閉鎖中の店舗は140店前後にまで減っていた。

けん引役は米国。中国では不振


第2四半期の75%という回復ぶりに目を向けると、H&Mが事業を展開する主要10市場のうち、いくつかの市場できわめて好調な業績をあげているいっぽうで、目立って不振な市場がひとつある。

強力なけん引力になったのは米国だ。コロナ後の活動再開が他国よりも速かったおかげで、現地通貨計算で269%という目覚ましい伸びを見せた。米国はドイツを抜き、いまやH&Mにとって最大の市場になっている。

一方、トップ10の市場のうち、唯一売上が縮小したのが中国で、23%減だった。2020年第2四半期の時点では、中国はH&Mにとって3番目に大きい市場だったが、現在では6位まで後退している。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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