働き方の多様化が進み、これからますます加速する「個の時代」に、必要とされる力とは何か。累計6万部の『無敗営業』シリーズの著者である高橋浩一さんによれば、いつも誰かから必要とされる「お声がかかる人」であることが鍵になるという。
「声がかかる」といっても、有名になるとか、お金に困らない生活をするといったことだけを指すのではない。身近な人から頼りにされる、会社の中で相談を受ける、自分の情報発信に反応をもらえるなど、そうしたことも含まれる。
今回は、最新著書『なぜか声がかかる人の習慣』(日経BP 日本経済新聞出版)から、まずは声がかかる人になるための心構えについて、一部抜粋して紹介しよう。
選べる自由を手に入れる方法
書店に足を向ければ、自己啓発書のコーナーにたくさんの本が並んでいます。「好きなことで生きていく」「ストレスのない人生」「不安や悩みから解放される人生」「やりたいことをやりなさい」……。人生の自由を獲得することについて、心惹かれるキャッチコピーやいろいろなメッセージが飛び交っています。
しかし、働き方が多様になったメリットを享受するためには、1つの大きな前提があります。それは、「選択の自由度は、人から必要とされる(声がかかる)度合いに比例する」ということです。
働き方の選択肢が広がったのはいいことですが、仕事を依頼する側から「ぜひあなたに」という声がかからなくては、望む選択はできません。目の前の仕事で声がかかるようになって初めて、「選べる」人生が見えてくるのです。
「ぜひあなたに」という声がかかる人にとっては、働き方が多様になる動きは追い風です。一方で、すべての人が「選べる自由」を手に入れられるわけではありません。
選択肢を前にして、誰もが最初にぶつかる葛藤は、「生活のための収入を得る仕事と、未来に向けた種まきの活動とのバランスをどうとるか」ということです。
ここでは、面倒くさいからと思考停止して判断を放置したり、感情に流されたりするのではなく、戦略的に考える必要があります。
ここで、「働き方における柱の持ち方」について、大まかな3つのタイプをあげてみましょう。
●1 本業に集中:目の前の仕事に集中して成果を出したい
世の中ではいろいろ言われていても、やっぱり組織の中で働くことが好きだし、今の仕事が自分に合っているという人がいます。本業で成果をあげることを通じて会社に貢献していると考え、満ち足りている状態です。
他の柱が見えていても、目の前の本業に集中することが、将来の選択肢を増やすことにつながると思えていればこのタイプです。