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米ウォルマートの店内に2016年に誕生した「ピックアップタワー」が、わずか5年ほどの生涯を終えることがわかった。より利便性の高い買い物を追求する同社の方針が、その理由だ(一時的な決断となる可能性もあるが)。

ウォルマートの店内に設置されたこの高さ約5.2mの「タワー」の消滅は、小売業界がどれほど急速に変化しているか、新型コロナウイルスのパンデミックがどれほどその変化を加速させているかを物語っている。同社幹部は当初、このタワーは「ゲームチェンジャー」だと大歓迎していた。

自動化されたこのタワーには、少数~中程度の量の注文であれば、最大300件分を内部に保管することができる。オンラインで注文した顧客は来店し、タワーにコードを入力すれば、購入した商品をすぐに受け取ることができる。

「買い物」は急激に変化


新型コロナウイルスの感染拡大を受け、家族経営の小規模店舗から量販店、ショッピングモールまで、あらゆる店が「カーブサイド・ピックアップ」サービスを提供するようになっている。「オンラインで購入、あとは受け取るだけ」という買い物のシステムは、それほど昔からあるものではない。だが、すでにそのことを忘れている人も多いかもしれない。

初期にこのサービスを導入したその他の小売業者と同様、ウォルマートは当初、オンラインで購入された商品を、カスタマーサービス・カウンターで顧客に手渡していた。だが、商品の返品を受け付けるカウンターでもあるために長い列ができることが多く、各社はその後、店内に受け取り専用のデスクを設置。顧客が来ればすぐに引き渡すことを可能にした。

このころ、店舗での受け取りはオンラインショッピングをより便利なものにする方法であると同時に、顧客を店内に呼び込み、また新たに買い物をしてもらう機会の創出を狙うものでもあった。

だが、パンデミックの発生を受け、消費者も店舗も同様に、「事前に購入、受け取るだけ」のサービスは利用したい一方、多くの人がいる店内に入ることは避けたいと考えるようになった。

編集=木内涼子

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