ポスト・コロナのニューヨークから

訓練を受けた警察官がワクチン接種を行う場合も(写真はLA)(Ringo Chiu / Shutterstock.com)

警察の施設で、ベルトに銃を下げたままの警官から注射を打ってもらうのは、妙なシチュエーションだった。

「Ready for a shot, Let’s go.(打つ準備OK、はい、いくよ)」と言われ、「(銃で)撃つ」とも取れるなと思った瞬間、左肩にひと刺し。それはすぐに終わった。

ワクチン接種後は、15分間アレルギー反応が出ないか待ってから、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のマークが付いた接種証明カードを渡され、会場から退出する。

そのカードは文庫本の半分くらいのサイズで、接種を受けた日付とワクチンの種類が記されている。登録したメールアドレスにも、接種終了の知らせが届く。この接種証明カードを持っていれば、150人程度までの結婚式や集会に出席できるようになるのだ。

そして、ワクチンを接種できる会場の予約も、申し込みフォームへの入力も、事前のインフォメーションも、すべてオンラインとメールだけで済むようになっている。

ニューヨーク州ではすでに約20%が接種


アメリカでは、新型コロナウイルスのワクチン接種が、かなりのスピードで進んでいる。

政府は、全米大手のドラッグストアのCVSや、コストコ、ウォルマートなどの店舗にワクチンを供給し、6500店舗に100万回分のワクチン供給をすると発表した。すでに全米の25%の成人、7100万人が、1回はワクチン接種を受けている。

まだフェーズ1の医療、警察、消防を始めとする最前線にいる人々を対象にしたワクチン接種だが、その中には飲食業界関係者や特定の既往歴や慢性疾患のある人たちも含まれている。ニューヨーク州ではすでに人口の約20%、マンハッタンだけでも人口の約15%がワクチン接種を受けた。

そのせいか、マスクをせずに歩いている人もちらほら見かけるようになってきている。ニューヨーク州としては、集団免疫獲得のためにも、接種率を早く75%にまで上げたいようだ。

メジャーリーグのメッツの本拠地であるシティ・フィールドでも、24時間体制で接種予約を受け付けている。市のサイトで接種の予約が取れるのだが、それでもすぐに予約が埋まってしまう状況だ。手続きは、フェーズ1の条件枠に入ると自己申請し、空いている施設での予約を取り、QRコードでチェックインする簡単なシステムになっている。

接種会場には、他にも高校の体育館や、警察の施設、競馬場などが当てられ、大きな会場ほど接種を実施する人数も多く、待ち時間もほとんどなく、予約時間通り円滑に進められていく。

私も条件枠にかない、前述のようにブルックリンにあるニューヨーク警察コミュニティーセンターで、接種の訓練を受けた警官にワクチンを打ってもらった。駐車場で順番を待っている間も、ひっきりなしに車が出入りし、その回転スピードに驚くとともに、行政側のやる気も感じる。

ファイザーとモデルナのmRNA型のワクチンは間隔を開けて2回接種する必要があるが、3月には1回で済むジョンソンエンドジョンソンのDNA型も承認された。接種も始まったので、私は後者を受けた。

文=高橋愛一郎

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