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デジタル音声広告が今後広がりを見せるかもしれない(GettyImages)

日本でClubhouseが一時大ブームとなったことは記憶に新しい。Clubhouse以外でも、ポッドキャストやSpotifyをはじめ、音声メディア「Voicy」やネットラジオの「radiko」など日本発の音声コンテンツメディアも台頭してきている。

音声コンテンツの盛り上がりを追い風に、いま音声広告市場も注目を集めている。

市場規模は年々右肩上がりで、米ポッドキャスト広告市場は6年で10倍に拡大し、日本でも2020年に16億円ほどと推定された市場規模は、2025年までに420億円にまで成長すると見込まれている。

そんななか、実際に2020年10月〜12月の売上げ高が前年同期の8倍に増えたというのは、音声広告会社、オトナルだ。

生活の至る所で広告を目にする現代、耳から入ってくる情報は「新しいもの」と捉えられるかもしれない。実際、音声広告は完全聴取率が90%を超えるといい、広告としての効果の高さを見ることができる。音声広告市場の最新状況と今後の見通しについて、オトナル代表の八木太亮に聞いた。

音声広告の特徴


音声広告の特徴のひとつとして、ブランドの認知に効果的であることが挙げられる。アメリカのポッドキャスト広告専門会社Midroll社の調査によると、ポッドキャスト広告はディスプレイ広告と比べてブランド認知が4.4倍高くなるという。

「音声広告の出稿が多いのは、金融、イベントやショッピングモールなどのコンテンツ事業、あとは学校など無形商材を取り扱う業種ですね」と八木は話す。

手に取ることのできない商材を扱う分、ビジュアルで商品の特徴を伝えるよりもイメージを想起させるような広告が効果的で、耳に残る音はそういった意味で効果が高い。テレビコマーシャルを思い起こしてみても、どんな画面だったかは思い出すことができなくても、メロディを聞くとCMのトーンや歌詞が思い浮かぶ経験がないだろうか。

オトナル
オトナル代表 八木太亮

また、アドフラウドレス性の高さ(スキップするなど、不適切な広告の消化が行われにくいこと)も特徴だ。2019年に米Adobe社が行った調査によると、調査対象者1000人のうち39%がスマートスピーカーから流れる音声広告はテレビや印刷物、SNSなどでの広告より興味を引き、38%は他媒体の広告より不快に感じにくいと回答した。

実際、radiko内の広告は完全聴取率平均が98%、Spotify内では94%以上と、音声メディア内の広告はスキップされにくい。広告完全再生率ではYouTubeの3〜4倍を誇るという。

「例えば保険の広告で言うと、素敵な提案書を見たからといって買おうとは思いませんよね。その点、音声は言葉で伝えることができます。今日明日すぐに必要になる商品ではなく、時間のスパンを長く捉えるような商品を、記憶に残るように刷り込む効果があります」

文=河村優

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