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地震は甚大な災害のひとつであり、瞬く間に都市全体を破壊することもできる。地震の規模によっては、建造物も計り知れないほどの被害を受ける。建物の基礎を設計する際に、技術者はこの点を念頭に置かなければならない。

この記事では、世界一周旅行をするつもりで、特に耐震性の高い建造物を5つ紹介したい。並外れた規模の地震に耐えるには、建物をどう設計すべきかがわかるはずだ。

地震が建物に及ぼす影響


地球を覆うプレートの存在自体は、よく知っている人も多いだろう。また、プレートが地殻の動きに及ぼす影響についても聞いたことがあるかもしれない。プレートがずれたり、プレート同士がぶつかったりして強い力が働いたときに地震が起きる。地震の規模を測る単位はマグニチュードである。

英国プリマス大学の地質学者が、地震が起きる仕組みと、地震が建物に及ぼす影響について詳述している。耐震性の高い建物を設計するには、地震波が地盤から建物全体へと広がる流れを理解することが欠かせないのだ。


Anatomy of an earthquake - Professor Iain Stewart

免震構造──耐震性向上に欠かせない技術


耐震性の高い建物を作るうえできわめて重要な役割を担っている技術が、免震構造だ。地震に見舞われた建物の損壊を防ぐ(または、せめて損壊を最小限にする)ことを目的として開発された。免震構造は世界中で採用されていて、特にニュージーランド、インド、日本、イタリア、アメリカ合衆国で普及が進んでいる。

従来の建物は、基礎部分を地面に固定するなどの方法で接地されていることが多い。これは地震がそう多くない地域では便利な方法だが、断層上の地域には使わないほうがいい。

地震が地盤を直撃したとき、その地盤と建物が接していると、建物が地盤とともに動いて重大なダメージを受けてしまう。そこで登場したのが免震構造だ。免震構造では多くの場合、何らかの形で建物を地面から離すことで、衝撃による影響を抑えている。

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建物を地面から離す手法としては、ボールベアリングやゴムパッドなどの免震装置(アイソレーター)を使うことが多い。免震装置は地震の際、建物を動かそうとする力を軽減する緩衝材の役割を果たす。

わかりやすく言えば、免震装置の動作は車のサスペンションとよく似ている。ご存じのとおり、サスペンションは車体が受ける衝撃を緩和する。したがって、起伏の多い道でも車内の人は気持ち悪くならずに済むわけだ。

Science Learning Hub(科学教育ハブ)は、次のように説明する。「地震の際、建物は地上から見て約11インチ(28センチメートル)ずれる可能性があるため、免震構造は地震による建物のずれ対策という意味でも重要です。つまり、建物の倒壊などを防ぐためにも、建物の周りに揺れを吸収する場所、つまり“堀”を設置することが有効になるのです。上下水道や電気などの設備も、建物のずれによってダメージを受けない設計にする必要があります」。

翻訳=加藤今日子 編集=石井節子

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