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2021.02.28 11:00

寝室とトイレは水面下。陸より安全なアムステルダム「水辺の居住区」

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氷河が溶け、世界規模で危惧される地球温暖化問題に建築家や設計者が注目し、地球に優しく画期的な解決策を見つけ出した。


本物の浮遊ハウス。ほとんどが入居済みに


ワーテルブールト(オランダ語で「水辺の居住区」の意味)は、人々の思考パターンを変え、アムステルダムでの暮らし方に大きな影響を及ぼす、とっておきの解決策のひとつだ。

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ワーテルブールトは芸術的な住宅地だ。建ち並ぶのは、一般的なハウスボートではなく、本物のフローティングハウス。そのため、特殊かつ驚くべき手法を駆使して建てられている。100軒近くの家屋が鉄の係船留につながれ、アイマ湖の岸壁に停泊している。よって、潮の干満に合わせ、水面に垂直に浮かんでいるにすぎない。

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オランダの建築家マルリース・ロメール氏は、シンプルで使いやすく、「実用的で基本的なデザイン」を損なわないデザインアプローチ手法を用いて、フローティングハウスのコンセプトを打ち出した。それは、壁4面に囲まれた暮らしにとどまらず、暮らしから得られる経験にも関係がある。その家で暮らす人が創り出していく経験のことだ。

このフローティングハウスは、もともとアイマ湖から65km北にある造船所で建築され、いくつもの運河を渡って移送された。本プロジェクトは現在も進行中だが、多くの人々の心をつかみ、すでにほとんどが入居済みになっている。

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陸地より水辺のほうが安全?


自然界の気候の変化を考えると、とりわけヨーロッパでは陸地より水辺で生活するほうが安全な選択肢だといえる。さらに、アムステルダムのような都市部における、土地つき住宅の価格変動について思いをめぐらせてみよう。水上建築物を専門とするクーン・オルタイス氏の手にかかるよりも、フローティングハウスでの生活を選択するほうが価格を抑えられる。

クーン・オルタイス氏は、設計された都市特有の要素すべてが、最低50年から70年は維持されてほしいと考えている。というのも、それは、あらゆる気候の変化に対応できるほどの柔軟性を十分に備えて設計した場合と、柔軟性、信頼性、手頃な価格、適応性、快適性を重視したうえで設計、建築した場合にのみ存続可能だからだ。オルタイス氏いわく、「大事なのは、街を再構築するということ。そうすれば、街はさらにうまく機能する」。

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翻訳=神原里枝 編集=石井節子

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