2月16日にマサチューセッツ州の連邦裁判所に提出された訴状では、キース・ギルという名の人物が、自身がアマチュア投資家であると偽って、レディットやユーチューブ、ツイッターを通じてゲームストップ株の取引を煽っていたとされた。
ギルはゲームストップの株を空売りするヘッジファンドを「邪悪で強力な大物たち」と非難し、市場の熱狂を煽り、ゲームストップの株価を急上昇させることで、機関投資家らに打撃を与えたとされている。
訴状によると、彼はアマチュア投資家と名乗っていたが、実際には複数のブローカーライセンスを有する公認証券アナリストで、最近まで生命保険会社マスミューチュアルの投資部門MML Investorsに勤務していたという。
今回の訴訟は、ギルの雇用主だったマスミューチュアルやMML Investorsの監督責任も問う内容となっている。
訴えによると、原告のクリスチャン・イオビンという人物は1月末のゲームストップ株の急上昇によって、相当な損失を被ったという。イオビンの代理を務めるハーゲンス・バーマン(Hagens Berman)は集団訴訟で有名な法律事務所であり、メルセデスを相手取った排ガス不正疑惑をめぐる集団訴訟を7億ドル(約740億円)の和解に持ち込んでいた。
フォーブスはマスミューチュアルにコメントを求めたが、「当社は現在、訴状を精査している」との回答だった。ギルは、彼がゲームストップの株を宣伝するためにSNSを用いたとされる疑惑について「とんでもない」と述べた。
ギルは2月18日に米下院で開催された、ヘッジファンド「シタデル」のマネージャーや株式取引アプリのロビンフッドの幹部らを招いた金融サービス委員会の公聴会で、「私はただの個人としてゲームストップに投資しており、SNS上の投稿は私自身の調査や分析に基づくものだ」と述べた。