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スタートアップの未来を予想(Shutterstock)

世はスタートアップ戦国時代。1990年代後半の日本で、ITバブル期に第一次スタートアップ投資ブームが訪れた。次いで2015年頃からは第二次ブームが到来。グロービス・キャピタル・パートナーズや日本郵政キャピタルなどの出資に支えられ、メルカリが2018年に上場を果たしたことは記憶に新しい。

STARTUP DBによると、資金調達を実施した企業数は2020年より2019年の方が多いものの、1社あたりの平均資金調達額は、19年は3.4億円、20年は4.5億円となり増加している。コロナ禍であっても、スタートアップへの投資へは堅調だ。ますます新興企業の競争が激化し、各社にはこれまで以上に先見性と生き残り戦術が求められている。

そこに日経平均3万円台回復の大波がやってきた。実に30年半ぶりのこの水準の影響をスタートアップはどう受けるのか。果たして追い風になるのだろうか。

ベンチャーキャピタリストの5人に期待感や今後の見通しを聞いた。

これはバブルではない


まず、現況のスタートアップ投資熱をどのように分析することができるのだろうか。グロービス・キャピタル・パートナーズの代表パートナー高宮慎一はこう語る。

「このスタートアップ投資熱はバブルではなく、実体を伴って新たに登場した機会への資金の流入と考える」

新型コロナによる新しい生活様式や消費動向の変化が、スタートアップに機会をもたらした。さらに背景にはコロナショック対策によるカネ余り状態がある。行き先を求めていた資金は、ウィズ/アフターコロナの世界を見据えて事業構築を行うスタートアップに流れたのだ。そのため、こうした企業は今後も安定して伸びていくことが予想されるという。

WiL共同創業者ジェネラルパートナーの松本真尚は「リーマンショック後にフィンテックが急激に伸びたように、今回は医療に関する信用が下がったためヘルス&マインドケアを含めた医療系マーケットが大きく変わる。また仕事の仕方が変わったためにリモートワーク支援系のマーケットがさらに伸びていく」と予測している。

Plug and Play VenturesのAssociate小梶新はスタートアップ投資は「安定成長期」に入ったと見る。

「実績値を見ると、昨年のコロナ禍でもスタートアップによる資金調達額の縮小幅はわずか10%程度と、過去10年間でも堅調な数字。これまでとは異なり、スタートアップ投資は一過性のブームではなく安定成長期に入った」

構成=谷本有香 編集=督あかり 文=河村優

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