フォーブスジャパン編集部

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昨年春から続くコロナ禍の外出自粛により、仕事や生活の中で思い通りにならないことが増え、イライラが募る人も多いだろう。それにより自分の中に抱えた怒りが爆発したことはないだろうか。

「コロナうつ」や「コロナストレス」という言葉をよく耳にするようになったが、それらを裏付ける、驚くべき統計や調査結果がいくつか出ている。

警察庁の自殺統計(速報値)によれば、2020年の自殺者は2万919人に上り、特に女性や小中高生の増加が顕著になっている。また、20年度のDVの相談件数は昨年11月までの総数で13万2355件となり、過去最多を数えている。

内閣府によると、「外出自粛が影響して、ストレスや生活不安を抱えて暴力に至るケースが増えている」と分析されている。さらにDVがある家庭では、児童虐待も起きている事例が多いという。

大人だけでなく、子どものストレスも深刻な問題だ。国立成育医療研究センターによる「コロナ x こどもアンケート」(2020年12月報告書)では、小学生から高校生までの回答全体のうち、42%が「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」を選択。「すぐにイライラする」は30%、「最近集中できない」は26%、何らかのストレス反応がみられた子どもは、73%に上った。

そもそも、コロナ禍で生じるストレスやイライラが、怒りへとつながるメカニズムとはどんなものなのだろうか。また、その対処法はあるのだろうか。

その疑問にも応えるかたちで、いま注目を集めているのが「アンガーマネージメント」、1970年代にアメリカで生まれたとされる怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングだ。日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介代表理事に、疑問や日常的なイライラを抑えるポイントを聞いた。


コロナ禍では怒りの「ガス」を手当てしたい


怒りが生まれるメカニズムを考える時、まず「ライター」をイメージしてください。自分の中の「~するべき」という考え方が裏切られたときに、人は「火花」を散らします。例えば、いまなら「マスクをするべき」という考え方が主流ですが、マスクをしていない人がいたらイラっとしますよね。平時でもこの火花は存在します。

危険なのは、ライターの燃料となる「ガス」が溜まっている状態です。辛い、苦しい、不安、孤独などマイナスの感情だけでなく、疲れや体の調子が悪いなどの身体的条件も含みます。火花を散らす原因は平時と変わっていませんが、コロナ禍では「ガス」が増えていると考えられ、この手当てが重要となります。

リモートワークや外出自粛など、新型コロナウイルスの感染拡大によるニューノーマルの生活によって、ガスが溜まって怒りを堪えきれない人が増えました。日本アンガーマネジメント協会にも、「自分ってこんなに怒りっぽかったかな」「子どもに手をあげてしまいそうで不安」といった相談が多数寄せられています。

人は基本的に、大きな変化に弱い生き物です。不安な感情を小さくするためにも、まずは生活のリズムを整えることが大切です。適切に食べて、よく寝ること。スマートウオッチなどでバイタルをチェックして、体や心の変化に気づいたら休むようにしてください。最近、怒りっぽいなと感じたら、まずは自分自身に目を向けてコンディションを整えるようにしてみてください。

文=督あかり

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