アマプラでは最大100人とチャットも
同じような機能は他の動画配信サービスにもある。アマゾン・プライム・ビデオは2020年10月より「Prime Videoウォッチパーティ」をスタート。プライム会員であれば追加料金なしでウォッチパーティ対象作品を同時視聴できる。こちらもチャット機能がついており、映像を鑑賞しながら最大100人と会話を楽しめる。
アマゾン・プライム・ビデオより
利用方法もHuluとほとんど同じだ。視聴したい作品の詳細ページ上にある「ウォッチパーティ」アイコンからチャットに使用する名前と招待リンクを作成。一緒に観るユーザーに送信すれば同時に同じコンテンツを鑑賞できる。
デスクトップ用のウェブプラウザ(Safariは対象外)から視聴ができるが、スマートフォンやタブレット、Fire TVといった他のデバイスからは現時点では利用できない。また、アマゾンは海外でも同様のサービスを展開しているが、日本から海外の会員がホストするウォッチパーティへの参加はできないそうだ。
実際にウォッチパーティ機能を利用した20代女性は「高校時代の友人と自粛期間中に、気軽に集まれないからこそオンラインで映画を見ようということになり利用してみた。ズレのない同時再生で、皆でリアルタイムに盛り上がることができた」と話す。
一方でチャット機能を使ってみたところ「英語は問題ないのだが、日本語でチャットすると変換時にエンターキーを1回押しただけですぐ送信されてしまう」という不便な点もあったという。
Hulu、アマゾン・プライムを超える世界1億人以上の契約者数を誇るネットフリックスは、現時点では公式のウォッチパーティ機能は展開していない。代わりに、「Netflix Party」と呼ばれる無料のGoogle Chrome拡張機能をインストールすることでオンライン鑑賞会を楽しむことができる。
Netflix Party is now Telepartyより
こちらもネットフリックスにログインして観たい作品を選択、アドレスバーにある赤い「NP」のアイコンをクリックすれば招待URLを作成することができる。チャット機能もついていて、他のサービスと同じようにリアルタイムで会話をすることが可能だ。
顔が見えないからこそ、誰とでも鑑賞
同時再生とチャット機能で、まるですぐ近くで一緒に鑑賞しているような感覚が楽しめるウォッチパーティ機能。恋人と「Netflix Party」を利用したという20代女性は「観ている映像の近くにチャットが流れる感覚は、少し『ニコニコ動画』に似ている」と話す。
一方で、「文字を打つのは少し面倒。チャットではなく直接話して感想を言い合いたい」という声もある。そのため、LINEやZoomといった他のSNSの電話機能も同時に使って、実際に会話をしながら鑑賞するケースも多いそうだ。
さらに、「視聴者同士の顔が見えない」という利点を使い、TwitterなどのSNSで誰でも参加可能なウォッチパーティを呼びかける利用者も増えている。コロナ禍により初対面の人と会う機会が少ない中、新しい形のコミュニティが生まれているようだ。
今年に限りアカデミー賞のノミネート対象にも追加され、さらに勢いを増す配信作品たち。話題作を離れた場所から大勢で楽しみながら、もうしばらく続きそうなおこもり生活を乗り越えるのもいいかもしれない。