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2020.11.19 10:00

リモート時代に必要な「遠くから寄り添う」従業員管理

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新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)によって広まった分散ワークは、多くの企業に従業員との関係を見直すきっかけを与えている。米国では現在、従業員の約33%が完全にリモートで働き、25%がリモートとオフィス勤務を組み合わせた「ハイブリッドワーク」を行っている。またリモートで働く人の3分の2は、今後もこの働き方を続けたいと思っている。

コロナ禍で分散ワークを最初に採用したのは、テクノロジー企業だった。それは、テック企業の業態がリモートに合っているというだけでなく、洗練された従業員管理ポリシーを持つ企業が多いからでもある。福利厚生の充実はテック企業にとって重要な企業文化の一部であり、多くの場合、従業員の満足度・忠誠度の維持に欠かせないものとなっている。

しかし、食堂や軽食、社内イベントや勤務時間中の各種サービスといった福利厚生の多くは物理的なロケーションに紐付いており、仕事の場が移ると維持が難しくなる。

従業員が特定の労働環境に慣れていると、満足度を監視・維持するのが難しくなる場合があり、工夫が必要となる。一部企業は、リモートワークの従業員に対し、食事の宅配や、子どものサマーキャンプ、洗濯代行サービスなどのさまざまな福利厚生を用意した。こうした施策は、日々の物理的な接触がなくなった従業員に、企業とのつながりを感じ続けさせる効果がある。

こうした考え方は、従業員との関係性に対する現代的ビジョンに大きく関わっている。

「ヒューマン・リソース(人材)」という言葉は、かつての「パーソネル・デパートメント(人事部)」を言い換えるため20世紀に生まれた言葉だが、従業員をリソース(資源)としてみる物質主義的な意味合いがあることは疑いなく、現代的な人と人との関係性の理想から大きくかけ離れていることから、使用が避けられる傾向にある。功利主義的な響きがある「被雇用者」などの言葉も、多くの企業が使用を避けている。
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編集=遠藤宗生

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