職場での検査と接触者追跡対策を強化しなければ、この増加傾向は続く可能性が高いとNSCは警告している。
NSCはさらに、パンデミック後も在宅勤務が継続すると予想されることから、職場における精神衛生関連リソースを拡充し、増加する在宅勤務者を支援するよう促している。
勤務時間中に幼い子や高齢の家族の世話をする人は、以前より重い負担を感じていることが明らかになっている。そのため、雇用主が支援を提供する必要があるとNSCは訴えている。
こうした推奨事項は、大規模雇用主のパンデミック対応策に関する11月5日公開のNSCリポートにまとめられている。
NSCの調査では、ほぼすべての職場で、手指消毒剤、マスク装着義務、作業面の洗浄といった対策が導入されていることがわかった。
調査対象になった10種類の感染症対策のうち、最も導入率が低かったのは、請負業者や配送ドライバーといった非従業員の仕事場での移動制限で、この措置をとっている雇用主は61%だった。
建設および小売の企業では、従業員の体温測定が最も導入率が高かった。
NSCは、仕事と同時に家族の世話をしている労働者が感じているストレス要因を指摘する一方で、従来の職場でもストレスが生じつつあると述べている。他の人と共有する仕事場の最低限の洗浄・消毒は、感染拡大を抑えるための重要な要素になっているが、そのための労力に起因する「衛生疲れ」が従業員を悩ませているという。
個人用防護具(PPE)は職場における安全の基本であり、リスク緩和のための最後の砦と見なされているようだ。とはいえ、PPEが一般的に使用されていない業界も多いとNSCは指摘している。
これらの知見は、7月14日から8月4日にかけて実施された調査にもとづいている。この調査は、従業員数250人以上の組織に所属する、新型コロナウイルス感染症対策に関する意思決定に大きな影響力をもつ業界プロフェッショナル334人を対象に実施された。