経済・社会

2020.11.13 10:00

著作権法改正。あなたの「ネット配信」にはどう影響する?

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ダウンロード違法化、音楽と映像以外にも


むしろ、今回の著作権法改正で一般のユーザーにも関係があるのは、来年の1月1日から施行される、「インターネット上の海賊版対策の強化」における「侵害コンテンツのダウンロードの違法化」だという。前出の木村弁護士は次のように語る。
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「ダウンロード違法化の拡大、つまり、その対象が広がったというのが、一般のユーザーがいちばん気にしないといけないところですね。これまでは対象が音楽と映像だけだったのですが、それが著作物全般に広がったのです。もっとも、この規制は、コンテンツが著作権を侵害することを知りながらダウンロードするものだけが侵害とみなされるものです。ツイッターなどのSNSに違法コンテンツが掲載されていて、それを不注意でダウンロードしてもこの規制の対象にはなりません」

著作物全般の中には、例えばコミック、書籍、論文、コンピュータのプログラムなどが含まれる。違法だと知りながら、これらの著作物をダウンロードすると私的使用目的であっても規制の対象となる。ただ、コミックにおけるひとコマまでの軽微なものとか、二次創作やパロディ、著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合なども、規制の対象からは除外される。

「音楽と映像について違法にアップロードされたものを違法と知りながらダウンロードする行為に対する規制については、2009年の著作権法改正で盛り込まれたことなのですが、ではどうやってその行為が違法だと知るのかという議論が当時からありました。
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これに関しては、民事上の責任も刑事罰(2012年改正により刑事罰の対象とされた)もあるのですが、2012年の改正から、私の知る範囲では、このことで逮捕されたり、刑事事件になったりしたというのは聞いたことがありません。もちろん、権利者から『これは侵害です』という通知書を受け取って、それでも継続してダウンロードして使っていたら、それは違法になりますが」

今回、違法にアップロードされたものを違法と知りながらダウンロードする際の規制の対象として、音楽と映像だけでなく著作物全般となったが、そのことで一般のユーザーが、ネット上の行動に対して恐れるとか萎縮するとかの話ではないと木村弁護士はアドバイスする。

ただ、これらの著作権に対する新たなルールを知っておくことで、ネットやスマホに取り囲まれて毎日を送っているわたしたちにとっては、より盛んに、きちんとしたかたちでSNSなどでの発信ができることは間違いない。

文=稲垣 伸寿

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