ブランドプロミスの実現に不可欠なCXとUX
この第2のステップにおいて、CXとUXが大きな役割を果たし、ブランディング施策の中でも、特に「ブランドプロミス」に直結している。
ブランドプロミスの例としては、ファーストフードのマクドナルドが挙げられる。マックが世界中にここまで展開出来たのは、最高のハンバーガーを提供していることではない。黄色い“m”のロゴのお店に行けば、場所に関係なく、安定したメニューとサービスをいつでも確実に受けられる、という安心感をそのブランドが消費者に“約束”として提供しているからである。
マクドナルドのCXデザインの究極のゴールは、このブランドプロミスを実現することに他ならない。一方で、このブランドプロミスをプロダクトを中心としたタッチポイントで実現するのがUXデザインの役割となる。
しかし、多くの企業やブランドでは、往々にしてデジタルを中心としたUXのクオリティーが十分に対応できていないケースが多い。これは、それまで長い時間オフラインでのブランド体験を中心にブランド構築を行ってきた企業にありがちな落とし穴である。結果としてブランドプロミスが守られなくなり、顧客から信頼を失うことになる。
まとめ
ここまで細かく説明してきたが、ぶっちゃけ「UX」という言葉を使うか「CX」という言葉を使うかは、共通の「正しい」解釈をしていれば、特段重要ではない。
重要なのは:
1:異なるレベルの体験におけるそれぞれの焦点を理解し、すべてのレベルで経験を最適化しようと努力すること
2:摩擦や誤解を最小限に抑えるために、デザインチームと他のチームがこれらの用語を一貫して使用すること
である。
CXとUXの間には多少の違いはあるものの、テクノロジーが日常生活に溶け込むようになればなるほど、この2つの分野はより密接なものになっていく。UXデザイナーはエコシステム全体をズームアウトして見ることができれば、CXからの視点を取り入れることができるようになる。
また、企業は、デザイナーと言えども、T字型で総合的なスキルを持った人材を採用する傾向にある。つまり、全体像を考えられるデザイナーは、そうでない人よりも成功する可能性が高いということである。
(この記事は、btraxのブログfreshtraxから転載・編集されたものです)