CXとUXの主な違いとは
UXがエンドユーザー、つまり製品やサービスを使う人に焦点を当てているのに対し、CXは顧客に焦点を当てている。多くの場合、顧客も製品やサービスを使用しているが、場合によっては誰かに代わって製品やサービスを購入している可能性もある。
例えば、多くの「おもちゃ」のメインユーザーは子供である。その一方で、その製品を購入する顧客は親になる。この場合、おもちゃにおけるUXデザインのターゲットが子供になるのに対して、CXデザインは購入する親にも訴求する体験を設計する必要が出てくる。
したがって、顧客が必ずしもユーザーではないことも理解してデザインするのがCXデザインである。
・UXデザイン
主にプロダクトにおけるユーザーの体験の質を上げる・CXデザイン
顧客と企業との全ての接点における体験の質を上げるなぜ企業にとってCXが大切なのか?
Forresterの調査によると、顧客体験が良ければ、平均で顧客は4.5倍の支払いをするという結果が出ている。さらに、素晴らしい顧客体験を提供している企業は、何も考えない企業よりも、実に5倍のスピードで成長するという。これは、顧客体験の品質が売り上げに直結しているということだ。
CXとUXを上手に連動させるには?
多くのデザイナーにとって、CXとUXの境界線はまだまだ曖昧である。一方で、オンラインとオフラインが縦横無尽に連動しているライフスタイルにおいては、ブランドのウェブサイト、アプリ、実店舗でのシームレスな体験が求められている。
インターネットが日常生活の一部になりつつある現在、この2つの分野は密接に結びつきつつあり、単独で考えるべきではなくなってきている。
CXとUXを上手に連動させるには、まず、UXデザイナーが具体的なゴール設定のもとでユーザーとビジネスの具体的なゴール設定を達成することが重要だ。一方でCXデザイナーは、企業やブランド全体の体験に対してのゴールを達成することが役割となる。言い換えると、UXでズームイン、CXでズームアウトになるイメージである。
UX担当者とCX担当者の役職の違いは?
CXの担当者は、まずビジネスの専門家であり、次にUXデザイナーである。UX担当者は、必ずしも優れたビジネススキルや経歴が必要なわけではない。言い換えると、UXの担当者がCXの担当になるには、より幅広いビジネススキルが求められる。
具体的には下記の違いが考えられる:
・CX担当者はマーケティング出身者、UX担当者は技術、デザイン、心理学など様々なバックグラウンドを持つ場合が多い・CX担当者は主に、広告による収益の向上、顧客サービスの改善、より強固なブランドの構築に焦点を当てている。UX担当者は、これらのことも意識していないわけではないが、そこに到達するための主な方法として、ユーザビリティに焦点を当てている
・CXはブランドのすべてのチャネルを含む体験全体に目を向けているのに対し、UXはより具体的で、特定のアプリやウェブサイトに焦点を当てる傾向がある
・CXは伝統的にサービス関連産業で使われる用語で、サービスマッピングや顧客維持などのアイデアを実装する場合に使われている
・CX担当者は、製品やサービスについてどう思うかを調べるために、大量の人々を調査する傾向があるのに対し、UX担当者は、少人数の人々のことをよく知ることに重きを置いている