肥満のもとは化学物質だった。「太る毒素」を排出する方法

Shutterstock


2016年の研究によると、現代の大人は周りの環境の変化により、20〜30年前の大人と同じ体重を維持することが難しくなっているという。たとえ同じようなものを食べ、同じように体を動かしていたとしても、現代の私たちのほうが太ってしまうということだ。

理由はもちろん、私たちの体は悪い化学物質につねにさらされているからである。

2005年、驚くべき研究結果が発表された。アメリカの新生児の臍帯血(さいたいけつ)を調べたところ、平均して200種もの工業化学物質や環境汚染物質が発見されたのだ。

重金属から農薬、難燃剤、BPA、PCB、DDTまで、ありとあらゆる有害物質が私たちの体内に存在する。毎日着ている洋服の生地にも、赤ちゃんをくるむ毛布にも、有害な化学物質が含まれている。食べるものや飲むもの、触るものすべてが毒に汚染されていると考えていい。

身の回りの毒素を取り除く方法


まず何よりも大切なのは、体に入る毒を減らすことだ。有害な物質についての知識が増えれば、食べ物や日用品に気をつけるようになり、体に入る毒も減っていくだろう。体へのストレスが少なくなり、自然治癒力も高まる。

身の回りの毒素を取り除く方法をすべて詳しく見ていくことはできないが、有効な方法をいくつか紹介しよう。

水を飲む:当たり前だと思うかもしれないが、意外と見過ごされていることが多い。十分に水分を摂るのは、デトックスのもっとも基本的な方法だ。1日に飲む量の目安は、体重(ポンド)の半分をオンスにした量と考えるとわかりやすい。ただし、水道水をそのまま飲まないこと。家中の水を浄水できるシステムを導入することを強く推奨する

汗をかく:肌も解毒臓器の1つだ。運動や赤外線サウナで汗をかくこともデトックスになる。最低でも週に1回から2回の赤外線サウナを推奨する

睡眠の質を改善する:脳は睡眠中に老廃物を洗い流すようになっている(このしくみは「グリンパティック系」と呼ばれる)。脳のデトックスは睡眠中にしか行われない

魚を食べすぎない:残念ながら、現代の世界は毒に汚染されている。そのため食べる魚の量も種類も制限しなければならない。魚を食べるなら、アンチョビやイワシなどの小さい魚のほうがいい。体が小さい分、体内の水銀やその他の毒素の量も少ないからだ

空気清浄機を使う:新技術の開発によって家庭用の空気清浄機は大きく進化し、今ではバクテリアやウイルスまで除去できるようになっている。バクテリアやカビ、ウイルスに加え、花粉、煙、臭い、微粒子、ホルムアルデヒド、ガスも除去できる空気清浄システムが理想だ

新鮮な空気を入れる:1日に10分、窓を開けて空気を入れ換える。新しいカーペットをしいた後や、何かを新しく塗装した後は窓を開ける時間を長くする

人工の消臭スプレーや洗剤を使わない:カーペットや衣類、空気の消臭スプレー、合成洗剤の代わりに、重曹や酢、エッセンシャルオイルなど毒性のない自然のものを使う

植物を育てる:庭の芝生をやめて、代わりに環境にやさしく、蜂にもやさしい植物を育てる。強い化学薬品の入った除草剤や殺虫剤は使わない

有害物質が入っていない家庭用品を選ぶ:デオドラントや制汗剤は使わない。皮膚に塗るクリームなどは「パラベン」が入っていないものを。天然のエッセンシャルオイル以外の香料は避ける。洗剤や柔軟剤、ドライヤーシートは天然素材のものを選ぶ

手を洗う:特に感熱紙のレシートとお金を触った後は必ず手を洗うこと。ただし「トリクロサン」、またはそれに似た性質の化学物質が入っている抗菌石鹸は使わないように。最近大きな問題になっている抗生物質耐性の原因になると考えられている。普通の石鹸でも十分に効果がある

食品を選ぶ基準:大豆、オーガニックでないコーヒーと紅茶、缶詰食品、缶飲料、工場畜産の肉、卵、乳製品は食べてはいけない。発音できないような化学物質が入っていない食べ物を選ぶこと
次ページ > 体内の毒素を出す食材とサプリ

『カラダが脂肪燃焼マシンに変わる 代謝革命ダイエット』(かんき出版)より

ForbesBrandVoice

人気記事