0.2秒で人の心を掴む「印象力」

Philipp Nemenz/Getty Images

これまで多くの芸能人や著名人の方々のヘアメイクを担当してきました。皆さん、明快な個性がある方々ばかりで、特徴的な骨格であったり、目をひくパーツやその配置であったり、肌や髪の色や質感であったり、どれをとっても際立ったバランスをお持ちでした。それらは一度見たら忘れられない印象を与えるため、なるほどと納得していました。

ただ、そんな生まれ持ったバランス以外にも、実は後天的にデザインでき、その人の印象をいちばん大きく左右できるポイントがあります。それはヘアスタイルです。目や肌の色に濃淡はあるものの、色そのものに違いが少ない日本人にとって、ヘアスタイルがもたらす効果は、そのまま、その人の特徴を深く印象づけるものとなっています。

よく芸能人の方のインタビューなどで、学生時代に前髪が決まらなくて遅刻しそうになったというエピソードを耳にしますが、制服でオシャレ心を発揮できないシーンで、前髪のニュアンスがどれだけ自分の雰囲気に影響するか、実感していたんだなと思います。

ボブスタイルは美人に見えやすい


私がヘアカットをしたり、ヘアメイクしたりする時には、どんなテイストが似合うかということはもちろんですが、その人ならではの雰囲気をより鮮明にするためのニュアンスづくりとして、前髪やもみあげなどのフェイスラインをどうつくるかが最も重要でした。

例えば、溢れる存在感で堂々としたイメージに仕上げるためには、顔に光が感じられ、パーツの個性が際立つように額を見せます。隠している場所がなく、裏表のない信頼できる印象を引き立てるからです。さらに風を受けているような髪の流れを感じさせると、颯爽とした爽やかさが、そこに艶を出せば上質な印象も加わります。

逆に、どこかミステリアスなムードを出したいときは、やや目もとが隠れるくらいに前髪を伸ばし、かき上げるようにして、さりげなく自然に分け目をつけます。顔を傾けたり動かしたりするたびに、目が見えたり見えなかったりすることで、見る側に覗き込みたい意識が働いて、謎めいた魅力を感じさせやすくなります。

また、口元まで前髪を伸ばしたボブスタイルなどは、相手の視線が顔の真ん中に集中し、パーツを引き立てるので、美人に見えやすいスタイルです。動くたびに、毛先がスウィングして矢印のように口元を意識させることにもなり、セクシーな印象も醸し出しやすいスタイルです。

文=岡田いずみ

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