トップ4は上位からアイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド(世界で最も幸福度が高い国に3年連続で選ばれている)だった。
夫のアッシャーと共にサイトを運営するロサンゼルス在住のジャーナリストで、2児の母でもあるリリック・ファーガソンは「この調査結果には目を覚まさせられた」としている。「教養と思慮のある私でさえ、米国が持つ欠点について鈍感になり、この国の美辞麗句に惑わされて個人的な体験を無視してしまっていた」
夫妻は、女性旅行者や性的少数者(LGBTQ+)の旅行者にとって危険な国ランキングなど、データを基にした旅行先ランキングをまとめていることで知られている。今回のランキングでは、調査に使う上で信頼性の高いデータが公表されている経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心とした35カ国を対象に、それぞれの治安や幸福度、コスト、医療、教育、時間の6分野を評価し、「子育て指標」としてまとめた。
1位となったアイスランドは、全分野で上位10位以内に入り、治安では1位、コストでは4位だった(コスト面での1位はスウェーデン)。ファーガソンは、アイスランドは人権においても世界のリーダー的存在だと指摘。「アイスランド憲法では、子どもの出自や、どんな人物になるかにかかわらず、全員が平等に扱われることが保障されている」と述べた。
ワースト1位のメキシコは、治安や医療、教育のカテゴリーで最下位、幸福度では下から5番目だった。
ファーガソンは、米国がメキシコに次ぐワースト2位となったことに驚き、データを確認したときは信じられない気持ちだったいう。「6分野をひとつずつ確認したところ、そこでの発見の多くが非常に衝撃的だった」
米国では治安の問題が順位に大きく影響した。米国の治安はメキシコに続くワースト2位だ。「人口10万人当たりの殺人発生件数は米国では6.12で、これよりも悪い国はメキシコのみ。ランキングの対象となった国の大半では、この割合は1件前後かそれ以下だ」と述べた。
米国はまた、人権の面でも下から4番目という振るわない結果になった。「『黒人の命は大切』の抗議運動の中で最近明るみに出た制度的人種差別はその一例に過ぎない」とファーガソン。「有色人種の人々が米国では安全に感じないことが非常にはっきりとした」