配送ロボットはビジネス化が早い
調査企業ガートナーでモビリティを担当するMike Ramseyは、「自動運転技術のビジネス化を考える上で、人よりもモノを運ぶことは、短期的により多くの利点がある。モノを運ぶほうが、人を運ぶよりも容易にビジネスモデルを構築できる」と述べた。
Nuroの「R2」と呼ばれるデリバリーロボットは、一般的な乗用車の半分ほどのサイズで、モノを運ぶことに特化しており、最大時速は40キロ程度だ。R2には自動運転車と同様のセンサーやレーダー、LiDARが装備されているが、乗客の安全を気にする必要は無く、周囲の安全を配慮しつつ、食料品などの荷物を運んでいる。
Nuroのトースターに似た外見の車両は、一般の車のようなハンドルやミラーを搭載していないが今年2月に合衆国運輸省の認可を受け、4月にはカリフォルニア州から、シリコンバレー地域における運航許可を取得した。
同社のR2ロボットは既に食品スーパーのKrogerのデリバリーで活用され、4月からはカリフォルニア州において、医療物資の運搬にも用いられている。Nuroは5月にドラッグストア大手のCVSと提携を結び、処方薬を運搬するためのパイロットプログラムも始動させた。同社は年内に、50台から100台のR2ロボットを米国内で走行させようとしている。
「当社はハードウエア面とソフトウェア面の双方で、急速に技術を磨き上げ、オペレーションを最大限させようとしている」と、同社の共同創業者でプレジデントのDave Ferguson は話した。Nuroは今後、数百台から数千台のデリバリーロボットを米国の街路に投入する計画だ。
ZhuやFergusonは、同社の長期的な売上目標を明かしていないが、PitchBookのデータでNuroの企業価値は27億ドルとされており、投資家らは同社の未来に自信を深めている。
「トラック物流やロジスティクス分野での自動運転テクノロジーの商用化は、我々が想像する以上のスピードで進んでいくはずだ」と、ガートナーのアナリストのRamseyは話した。