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観光業再開の扉が開きつつあるハワイ。しかし懸念も。(Photo by M Swiet Productions / Getty Images)

ハワイが観光業の再開へ向けて、一歩前進した。

ハワイでは3月26日より、ハワイに到着する全ての人に14日間の自己隔離を命じる措置が講じられており、これにより日本を含め、各国からのハワイ行きの直行便が運休となり、実質的にハワイの観光業は休止となっている。しかし8月1日からは、ハワイ到着の72時間以内にCOVID-19の検査を受けて「陰性」を証明すれば、自己隔離義務が免除される「事前検査プログラム」が開始されるのだ。

観光業はハワイの基幹産業であり、ハワイを訪れる観光客が途絶えたことで、ホテルや旅行会社、ウェディング会社、各種観光ツアーなど、旅行業に携わる人たちはこぞって仕事を失う事態となっていた。ハワイの失業率は4月は23.8%、経済活動が徐々に再開された5月でも22.6%。アメリカ全土の5月の失業率13.3%と比べても、依然として高い水準にあることがわかるだろう。

そのような背景もあり、ハワイでも観光業の再開を待ち望む声もあった。そして発表されたのが、アラスカでも導入されているこの事前検査プログラムだ。14日間の自己隔離が免除されることで、ハワイを訪れる旅行者は観光地をめぐるなど自由にハワイ旅行を楽しめることになる。つまりハワイの観光業再開への扉が開かれたということだ。

ただ、これだけでは日本からハワイへの旅行の実現は難しい。現地在住の筆者が、ハワイの観光業再開における課題について紹介する。

外務省は、アメリカを「渡航中止勧告」のレベル3に


これまでの記事で紹介したように、ハワイでは新型コロナウイルス感染症の抑え込みに成功してきた州のひとつだ。だが、アメリカ全体でみると感染者は284万1906人、死者は12万9576人(7月5日時点)と、依然として多い。そのような背景から、外務省ではアメリカを、渡航中止を勧告する「レベル3」としている。

アメリカではロックダウンが解除され各種規制が緩和されたことを受けて、感染者が拡大している。しかも1日あたりの新規感染者数が7月1、2日に5万人を超え、2日連続で過去最多を更新した。このような感染者数急増の状況を鑑みると、現在のレベル3が今後、不要不急の渡航を止めるよう促す「レベル2」、または「十分注意してください」のレベル1に引き下げられる可能性はあまり期待できない。

外務省の危険情報には渡航や滞在を制限する強制力はないとされているが、外務省が「レベル3」と発出している限り、ハワイ側も積極的に日本に対して、ハワイ旅行推進をアピールすることは難しいだろう。

アメリカのマスク着用率の調査で、ハワイは着用率が58%と全米の中で最も高い州と評価され、感染者数も死者数も低い水準を保っている。それにも関わらず、感染者が急増するアメリカ本土の影響で、日本とハワイ間の観光業再開が難航していることに、ハワイ側はもどかしさを感じている部分も少なからずあるだろう。

文=佐藤まきこ

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