サンディエゴに本拠を置く「TuSimple」は、アリゾナ州ツーソンのデポに18輪の大型トラックを40台保有している。同社のチーフ・プロダクト・オフィサーであるChuck Priceによると、これらのトラックはアリゾナ州フェニックスからテキサス州エルパソの間を24時間休むことなく走行し貨物を輸送している。
「現状はとても多忙だ。主な顧客には、米国の重要な社会インフラであるUPSや郵便公社をはじめ、バークシャー・ハサウェイ傘下の食料品卸であるMcLane Companyなどが含まれる」とPriceは話す。TuSimpleはアリゾナのフードバンク向けには無料配送を提供している。
新型コロナウイルスの影響で買いだめが広がり、店舗の在庫が品薄になる中、トラックによる貨物輸送は重要性を増している。「我々は自動運転トラックを活用し、微力ながら社会インフラを維持することに役立ちたい」とPriceは語った。
自動運転分野では、多くの企業が感染拡大によりテストの中止を余儀なくされているが、TuSimpleは、これまでと変わらず業務を継続している数少ない企業の1つだ。
TuSimpleの共同創業者で、プレジデント兼テクノロジー責任者を務めるXiaodi Houは、今月初めから技術と開発部門のスタッフを在宅勤務にし、ツーソンのデポの常駐者を削減した。各トラックの運転席にはウェットティッシュやマスク、手袋を常備し、緊急対応を行う人間のドライバーを感染から守っている。これまでのところ、同社で陽性反応が出た従業員は1人もいないという。