カピバラと相席はいかが?
静岡県にある伊豆シャボテン動物公園では、人気のカピバラのぬいぐるみを活用して「カピバラと相席してソーシャルディスタンスを確保」する取り組みをはじめた。対面に座らせず間隔をあけるために名物キャラと相席にすることで、逆に魅力的な空間を演出している。
たまに椅子やテーブルに禁止マークやバツ印やをつけている対応策も見かけるが、直球でNGと言われるか、カピバラと座るか、目的は同じでも受け取る側の印象は大きく変わる。
自動車でも楽しめる遊びを創出
距離を取りながら楽しむ施策として、自動車を活用したコンテンツは有力だ。第三者との接触を制限できるため、移動手段として、飛行機や電車より自動車の需要回復が早いことは想像し易い。
そんななか、支持を得ているジャンルの一つが、サファリパークである。千葉県にあるマザー牧場は、7月中旬までの期間限定ではあるが「ドライブスルーファーム」形式で営業を再開した。
また、人気が高まりつつあるのが、大きな広場で巨大なスクリーンに投影された版権切れの映画上映を楽しむ「ドライブスルーシアター」だ。クルマに乗りながらお化け屋敷を楽しめる「ドライブインお化け屋敷」という企画も生まれている。歴史ある街でラジオを聴きながら移動する自動車版「街歩き」など、ドライブコンテンツ化はこれからのおでかけの幅を広げていくだろう。
自動車を活用したコンテンツは、第三者との接触を避けて楽しめる
感染予防対策が隣り合わせのこれからの生活のなかで、事業者側は禁止・制限の制約条件を、能動的に楽しんでもらえる工夫が必要になる。その設計・デザイン次第で、新たなコンテンツを生み出せたり、SNSで拡散されたり、足を運んでみたいと思う人たちも生まれるかもしれない。制限があるからこそ、人は創造的になれる。コロナ禍によってどんな新しいアイデアが生み出されるか、楽しみだ。
連載:「遊び」で変わる地域とくらし
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