「アソビュー!」でも、ハワイ大学の疫学専門家で感染症に精通している岡田悠偉人氏監修の下、独自のガイドラインを策定し、条件を満たした事業者にのみに「新型コロナウイルス感染対策(三密対策)実施済」ラベルを付けた。今後しばらくは、「感染防止対策を実施しているか」が、外出先やアクティビティを選ぶ一つの基準になるだろう。
しかし、遊びを提供し楽しんでもらう場としては、「あれはダメ、これもダメ」と、活動を抑制してしまわぬよう留意しなければいけない。禁止や抑制は、ストレスを与えるとともに、顧客満足度を下げてしまう。感染防止対策は、これらの制限を逆手にとり、あえて楽しく工夫することを心がけるべきだ。
そこで今回は、すでに実施されている事例から、参考になるようなアイデアを紹介したい。
足元に「クイズ」を
ソーシャルディスタンスをとるために必要なものとして、距離を保つための床や地面のサインがある。シンプルな直線やドットのような印が一般的だが、京都水族館では、「いきものディスタンス」として、動物の足跡のデザインを用いたひと工夫をしている。
「オオサンショウウオの前あしと後ろあしの違いははんでしょう?」など、足跡にクイズを掛け合わせることで、そのサイン自体をコンテンツ化。それが会話のネタになったり、ちょっとした教養にもなったり、これなら、適切な距離を保ちつつ、待ち時間も飽きずに楽しむことができる。
面白く、さらに広告にもなる?
ハワイの有名なショッピングモール「アラモアナセンター」では、手指衛生のための消毒筐体がサメのデザインになっている。消毒する人たちが、恐る恐る手を入れるのが面白い。ビジュアルにインパクトがあるから、インスタ映えもしそうだ。
またこれは単なるコンテンツではなく、筐体は、オークション会社Sotheby’s(サザビーズ)の広告になっている。消毒する場所は多くの人達が立ち寄る場所である。工夫の仕方次第では広告費をとることも可能だ。
手指衛生を広告にすることで、定期的にかかる消毒代を賄うことができる
また、コロナ禍より前から、WHOが南アフリカで手洗いを普及されるために取り組んだものとして、「Hope Soap」というプロジェクトがある。これは、石鹸の中にフィギュアやミニカーなどのおもちゃを埋め込んでおくことで、子どもたちが石鹸を使いたくなるようにするという仕組みだ。
手洗いに楽しさやご褒美が加えることで、子どもたちの自発性を促す。この石鹸でなくとも、手を洗った子どもたちに対してスタンプを渡し、10個集めるとオリジナルグッズがもらえるような方法もいいかもしれない。