オーストリア人シンガーソングライター、やないも。が、自身のYouTubeチャンネル「やなっちチャンネル」(登録者数12万人超)で、来日10年という親日家の歌手「Nick(ニック)兄さん」と対談した。題して「日本歴16年のアメリカ人が母国に帰りたくない理由!」。
以下、2人の対談の内容を抜粋要約して紹介する。
なお2人の絶妙にネイティブな日本語は、ぜひYouTubeでご確認いただきたい(本稿では抜粋、多少の編集を施している)。
日本に住みついたきっかけは「修学旅行」
やないも。(以下、やな):こんにちは、やなです。今日はスペシャルゲストを迎えております。
Nick(ニック)兄さん(以下、ニック):どうも、ニックです。
やな:出てくれて嬉しいです! ニックはいつ日本に来たの?
ニック:あなたがまだ赤ちゃんだった頃、2001年ぐらいかな。来たときはすごいショックだった。

やな:そもそもなんで日本に来ようと思ったの。
ニック:高校の数学の先生が日本人で、彼女が修学旅行で日本に連れてきてくれた。
やな:修学旅行が日本! うらやましい。
ニック:最高だったよ、本当に。大阪と大分に行って、めちゃくちゃ楽しかった。
その時、ミスタードーナツに行って、当時すごく流行っていた「ドーナツとラーメンのセット」があったの。これがもう本当においしかった。
やな:そんなのがあったんだ!
絶滅してほしくない「ギャル」文化
ニック:あとは「ギャル」がいっぱいいた。すでに絶滅危惧種かもしれないけど、当時は本当に多かった。私服の高校生ギャル、懐かしい!
やな:ギャルっていいよね、なんだか。
ニック:もうなくなって来ているけれど、「ギャル」はなくなってほしくない日本の文化だね。
やな:それで、日本のどういうところが衝撃的だったの?
ニック:インフラって日本で何て言うんだろう? ビルとか高速道路とか、アメリカは結構ボロボロなんですよ。まあ州によって違うんだけど、日本は「未来」みたいな感じだったんだよね。
あと人もいいし。14歳だったけど、パンクが好きだったので、ブルーハーツというバンドのアルバムを買ったり。めちゃくちゃいい旅行だった。
やな:で、旅行から帰って何でまた日本に来たいと思ったの?
ニック:ここだけの話なんだけど、日本人の先生がすごく好きだったの。俺は14歳で彼女は27歳ぐらいだったんだけど。
彼女から「ハサミ」とか「植物」とか「テーブル」とか、いろんな日本語の単語を教わりました。テーブルは日本語じゃないけど。「イチゴ」とか、「ヤギ」とか「きゅうり」とかいろんな言葉を習った。
まあ、俺はもともとずっと日本が好きだった、子供の時から。日本庭園が好きで、その後アニメが好きになって、それから黒澤明の映画のファンになりました。それで、大学は絶対に日本語学部に進もうと思って、もう、すぐ決めた。周りの友達には意味ないよって言われたけれど。
やな:わかる。
ニック:(日本語なんて勉強しても)使えないよ、ってね。ビジネスとか、心理学とか勉強すればいいのに、とか言われた。ただ俺、今、たぶん友だちより全然面白い仕事もしてるかもしれないし、本当に日本語を専攻して良かったなって思う。